並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 7 件 / 7件

新着順 人気順

麻耶雄嵩 書籍の検索結果1 - 7 件 / 7件

  • 『天気の子』とミレニアル世代のオタクの文化史 - 白樺日誌

    ゼロ年代 『天気の子』を観た。 100点満点中の100点満点だった。 が、脚本は酷い。 ヒロインの陽菜が明日、誕生日だとわかる。主人公の帆高がプレゼントを用意する。「ああ、明日、悲劇的なことが起こるのだな」と予想すると、そのとおりになる。酷い。 その粗漏さは冲方丁が「改善案」という形で穏当に指摘している。「拳銃が物語から浮いている。どうしても登場させるなら、その拳銃で天気の龍を撃つなどして活用すべきでは?」。ホントだよ。「手錠が画面の邪魔だ。どうしてもはめるなら、その手錠で帆高と陽菜を繋ぐべきでは?」。ホントだよ。 以下、物語を確認しよう。 家出少年の帆高は、東京をさまよった末、フリーの雑誌記者の須賀に拾われる。この過程でフリーターの陽菜と知りあい、また、拳銃を拾う(酷い)。須賀や、その姪の夏美とともに日常を過ごす。チンピラに絡まれていた陽菜を助ける。陽菜の金に困っていることと、天候を操作

      『天気の子』とミレニアル世代のオタクの文化史 - 白樺日誌
    • 読書は人間から逸脱していくプロセスに他ならない。#闇のSF読書会①|Hayakawa Books & Magazines(β)

      闇の自己啓発会は3月某日、#闇のSF読書会をオンラインで行いました。今回の読書会は主に早川書房から刊行されているSF諸作について語るものですが、各作品の感想に入る前に、まずはメンバーそれぞれのSFを読むきっかけやモチベーションについて意見交換を行いました。ル・グィンやマーク・フィッシャーに触れつつ、「この肉体を捨てたい」「記憶の外部化」「脳内アプリ」などのテーマについて思い思いに話しているので、今回の記事ではその部分を公開します。 ■参加者一覧 役所【暁】 編集者。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』に魂を囚われている。自粛中に読んで印象的だった作品は、小川一水『天冥の標』。 【江永】泉 物体。ホラーゲーム実況動画を視聴していたら朝が来てしまう。自粛中に読んで印象的だった作品は、酉島伝法『るん(笑)』。 【木澤】佐登志 文筆家。生き物と死に物の中間を占める。好きな作家は矢部嵩。 【ひで】

        読書は人間から逸脱していくプロセスに他ならない。#闇のSF読書会①|Hayakawa Books & Magazines(β)
      • みんなの“絶対に読んどけっていうミステリー小説”をランキングにしてみた!! - 俺だってヒーローになりてえよ

        どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。ゆっくり数字をかぞえることができません(お米の◯合みたいなのが無理)。 いつも通りいらん前置きから始まります。 人生の貴重さについて理解している賢明な方は、ぜひとも読み飛ばしましょう。 殺人の似合う季節になりましたね 集計をしよう。ミステリー好きよ、集え もう終わりにしよう。最強たちよ、さらば 42位 41位 40位 39位 38位 37位 36位 35位 34位 33位 32位 31位 30位 29位 28位 27位 26位 25位 24位 23位 22位 21位 20位 19位 18位 17位 16位 15位 14位 13位 12位 11位 10位 9位 8位 7位 6位 5位 4位 3位 2位 1位 殺人の似合う季節になりましたね 犯罪が大好きな紳士淑女の皆様こんにちは。 突然だが、不謹慎と聞いてあなたは何を連想するだろうか。 マンガ、映画、ヒ

          みんなの“絶対に読んどけっていうミステリー小説”をランキングにしてみた!! - 俺だってヒーローになりてえよ
        • 「小説現代」編集長・河北壮平が語る、小説の未来 「外に開いていく革命へと意識を転換するようになった」

          エンターテインメント系の小説雑誌をめぐっては、刊行ペースの変更、紙版から電子版への移行など各社が試行錯誤している。それに対し、2018年10月号でいったん休刊し、2020年3月号でリニューアル創刊した「小説現代」(講談社)は、長編連載中心の従来のスタイルを見直し、毎号読み切り中心にすることで新たな方向性を打ち出した。2015年にスタートしたレーベル、講談社タイガの編集長などを経て、2021年2月より「小説現代」の新編集長になった河北壮平氏は、メディアミックスの経験も多い。小説の面白さをどう伝えるかについて同氏に聞いた。(8月24日取材/円堂都司昭) 0.99が1ではない世界で仕事をしたい ――プロフィールでは、大阪大学大学院工学研究科中退後、2003年講談社入社となっていますから、大学院では理系の研究室に在籍していた。それがなぜ文芸の世界へ転身したんですか。 河北:大学では生産システムのシ

            「小説現代」編集長・河北壮平が語る、小説の未来 「外に開いていく革命へと意識を転換するようになった」
          • エンターテインメントは「神さま」をどう描いてきたか。

            深い眠りに落ちる 少し前の手前の まどろみの中に似た 密やかな夜に 探し続けてるのは あのメタフィジカ 祈るように紡ぎだす ひとつの歌 「語りえぬことについては、沈黙しなければならない」。 ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想 (角川選書) 作者:古田 徹也 KADOKAWA Amazon 20世紀最大の哲学者のひとりである(らしい)ヴィトゲンシュタインのこの言葉はあまりにも有名でしょう。 ヴィトゲンシュタインその人の真意がどうであったかはともかく、人間には「語りえぬこと」があるというそのことを思うとき、ぼくなどは何か神秘的なものを感じ取ってしまいます。 また、山田正紀のSF小説『神狩り』の冒頭には、次のようなヴィトゲンシュタインの箴言が意味ありげに掲載されています。 かつて、神は万物を想像することができるが論理的法則に背くものだけは創造できない、と語られていたことがある

              エンターテインメントは「神さま」をどう描いてきたか。
            • 探偵が推理を殺す

              一九八七年に開始された現代本格ムーヴメント(第三の波)は、筆者の判定するところでは二〇〇六年をもって終焉した。 笠井潔『探偵小説は「セカイ」と遭遇した』(南雲堂/二〇〇八年十一月)の「はじめに」(5頁)から いま新本格ミステリムーブメントは、衰退期にある。 限界研[編者]『21世紀探偵小説 ポスト新本格と論理の崩壊』(南雲堂/二〇一二年七月)の飯田一史による序論(10頁)から “終焉”そして“衰退期”。 かつて、そう烙印を捺された本格ミステリはその後どうなったか。 東野圭吾『容疑者Xの献身』(二〇〇五年)から今村昌弘『屍人荘の殺人』(二〇一七年)まで、平成後期の国内本格ミステリの動向を総括し、令和本格の進むべき道を探る。 社会の多元化がもたらした不可知論的状況に、虚構の名探偵たちはどのように立ち向かったのか。 従来の本格ミステリからすれば周縁と受けとめられがちな特徴を、整合性に重きを置く推

              • 2021年のまとめ(書籍編)2021年12月28日の日記|青島もうじき

                2021年に読んで特に印象的だった書籍を振り返るやつです。今年刊行された書籍ではなく、青島が今年読んだものです。「まだ読んでなかったの……?」と思われるであろう名作がいっぱいあるので、例年に比べて非常に緊張している。 SFを語るのであれば最低千冊読むべし、みたいな恐ろしいことを聞いたことがあるけれど、青島は間違いなくそんなには読めていない。せいぜいが百冊~二百冊くらい。曲がりなりにもSFの書き手を自称しているので、いつか「それ、〇〇(大作家)がやってたよね」と言われないか不安で仕方がない。来年はきちんと共通言語として扱われるような名作くらいは読んでいきたいなと思っている。イーガンとか。ミステリでもクリスティなんかは全然読めていないので、オリエント急行やらABCやらの話になると露骨に目が泳ぐ。来年こそはドヤ顔で「そして誰もいなくなった、というわけですね」と言いたい。 今年は小説に限らず色々な

                  2021年のまとめ(書籍編)2021年12月28日の日記|青島もうじき
                1