県美術館(富山市)で開催中の「ミロ展−日本を夢みて」(北陸中日新聞など主催)で学術協力している慶応大の松田健児准教授が六日、「ジュアン・ミロと滝口修造」と題し講演した。松田さんは、スペイン・カタルーニャ出身のミロ(一八九三〜一九八三年)と富山市出身の詩人、美術評論家の滝口(一九〇三〜七九年)の生涯にわたる交流の深さを強調した。 松田さんは現地での調査を踏まえ、一九二〇年代にミロの生まれたバルセロナで流行していた浮世絵などのジャポニスム(日本趣味)ブームが、ミロが日本文化を愛好した下地になっていたことを指摘した。 一方、滝口が五八年に初めてバルセロナを訪れた際にミロ周辺の人々と交流したネットワークが、六六、六九年のミロの二度の来日以降の二人の交流の深まりや、後の共作の詩画集などに結実していったことを、豊富な資料とともに解説。象徴としてミロが滝口に送った「カラバサ」(ひょうたん)の置物を挙げ、