先月の毎日新聞の記事で、抑止力と相互依存に関する議論について公平に良く纏まったものが有りました。抑止力について当ブログでは以前に 「中国人民解放軍軍事科学院の江新鳳上級大佐が警戒する沖縄米海兵隊の抑止力」で解説した事があるので、今回は「相互依存」について紹介したいと思います。 反射鏡:民主党と抑止力「考えれば考えるにつけて」=論説委員・岸本正人:毎日新聞 相互依存関係にある国に侵攻すれば、自国の経済・社会もダメージを受ける。得失を考えれば、その国は簡単に侵略・侵攻の政治決定を下せない--相互依存を重視する理論は、こうした想定を前提にしている。 米国のジョセフ・ナイ氏らの「複合的相互依存」論の展開も、軍事的安全保障の役割を相対的にとらえる議論である。 反論も当然ある。第一次世界大戦前、英国のノーマン・エンジェルは著書「大いなる幻想」で欧州諸国の相互依存の深まりを根拠に戦争無益論を主張したが、