神部紅/首都圏青年ユニオン 第3回:かき消される声/覆い隠される貧困 性風俗で働いている20代の女性から相談があった。夫は介護の仕事をしていたが、腰を痛めて失職。先の見えない苛立ちからか、彼女や2歳にも満たない子どもに暴力を振るう。「風俗で稼いでこい」と言われた彼女は、日中は夫の“お世話”、家事や育児に奔走。夜は託児所付きの風俗店で身を削っていた。 源氏名入りのアゲハ蝶を模った名刺代、レンタルドレスやコスチューム代、ヘアーセット代、託児料金などが次々と給与から天引きされていく。「子どもを預けるために体を売っているようなもので、実際は、コンビニバイトの方がマシでした」と、彼女が自嘲気味に言うとおり、そこには幾重にも張り巡らされた搾取のシステムがあった。 仕事を終えて、子どもを抱えての朝帰りはキツイ。満員電車を避けるために、勤務先には車での送迎を頼んでいたが、この車代も給料から天引き。結局、求