アマゾンジャパンの電子書籍読み放題サービス「キンドル アンリミテッド」に提供していた作品群を一方的に削除され損害を受けたとして、「海猿」「ブラックジャックによろしく」などの作品で知られる漫画家佐藤秀峰さん側が、アマゾンの関連会社に約2億700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、請求を棄却した。 佐藤さん側は訴訟で、仲介をしていた取次業者が漫画を配信させる義務を負い、利用料を受け取ることになっていたと主張。「配信の拒絶は、利用料の引き下げに応じなかったことに対する報復だ」と訴えていた。 中村心裁判長は「取次業者と原告との契約には、要求通りに配信される義務を負うような規定がない」と指摘。配信義務がないことから、取次業者から利用料を受け取る権利はなく、アマゾン側が、権利を侵害したとも言えないと結論付けた。