音楽評論家またはプロデューサーとも知られる立川直樹氏に『TOKYO 1969』という本がある。 ムッシュかまやつ、森永博志、J・Aシーザー、岡田大貮らら四氏との対談の中から、キャンティ、ジョージ、新宿文化・・・、重要な場所、そこで起こった実際の出来事をあらんかりぎの記憶力で呼び覚ます。やがて、ドキュメンタリー、いや一本の映画を観ているような感覚をもたらしてゆく。そして、浮かびあがるのが1969年の東京。 ここで、ふと思ったが、この感じで、1991年、もしくは1996年、東京は渋谷、つまりは”世界同時渋谷化”していた時代の渋谷、それをこのような本にしたら、さぞかし、面白い一冊ができるのではないかということだ。東京から渋谷、範囲は狭まるがその分密度は濃くなる。そう、ここでいう立川直樹氏とは、もちろん「サバ―ビア・スイート」橋本徹氏である。さらにいうなら、ムッシュかまやつ氏は、小西康陽氏というこ