第86回 「裁判長、異議あり!」 ドラマのシーンで、証人尋問をしていると、 相手の弁護士の証人尋問 (ドラマでは刑事裁判が多いので 検察官の尋問の場合も多いです)に対し 「異議あり!」と尋問を遮る場面があります。 これに対し、裁判官が 異議を認めるか、認めないかの判断をし、 「異議を認めます。質問を変えてください」 あるいは「異議を却下します。」と言っているのを 見たことがある方もいるかもしれません。 この異議は、相手の尋問が違法だと言っているのです。 尋問だからといって、 何をどんな風に聞いてもよいというわけではありません。 次の尋問は違法とされています。 このような尋問を相手がしたときに 「異議あり!」というわけです。 (1)証人を侮辱する、あるいは困惑させる尋問 (2)誘導尋問 例えば、 「あなたが○月○日に相手に承諾書を送って欲しい と言ったところ、相手が×月×日に、署名捺印して、
今、東横インと並んでもっとも有頂天とは無縁のホテルの物語『ホテル・ルワンダ』を見る。感想はといえば「支配人の勇気に感動した」「こんなアフリカの悲劇を知らなかった俺って一体……」「主人公の名前がポール・ルセサバギナ。ポールにバギナって両性具有か」といたって凡庸なものばかり。そんなことを綴っても詮無いので、有益な情報をひとつ。 私の本棚にある松本仁一『アフリカで寝る』(朝日新聞社・96年刊)。この中の「ルームキーがない」を読み返してみると、偶然にもミル・コリンホテルのその後の光景を描写しているのだった。 反政府軍が制圧したルワンダを訪れた作者は、首都に2軒しかない本格的ホテルのひとつ、ミルコリンズ・ホテルへと向かう。つまり戦後も営業を続けていたわけだ。部屋の状況は「すみには本来の住人の荷物が積み上げられ、テーブルには食べかけのオレンジ、ベッドには新聞が広げられている」レベルで、支配人の話によれ
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