雪崩事故の統計は、人が巻き込まれる雪崩のほとんどは、その人の選択の結末であって、偶然の結果ではないことを示しています。これは自然コンディションを理解し、それに合わせた行動がいかに大事であるかを示唆しています。ここでは、雪崩についての基礎的な事柄を簡略的に整理しました。 降ってくる雪を「降雪」、積もった雪を「積雪」と呼びます。さらさらの結束性のない雪も、積もって時間が経つことで、雪粒同士は次第に結合し、強い結合力を持つようになります。写真のような屋根から垂れ下がった雪をご覧になった経験があると思いますが、この雪は一立方メートル換算で300kg程度はあります。これだけ重いものが垂れ下がっても切れないほど、雪の結合力は強いのです。ですから、山岳の積雪は、一般に思われているよりも、ずっと大きな強度を持っています。 では、なぜ雪崩れるのでしょうか? それは雪の結合が壊れるからです。これを逆からみ
遠藤邦彦 3月2日の記事「2月18日富士山南東斜面で雪崩・スラッシュ雪崩発生」に新たに上空からの写真などを加え改訂しました。 2月18日富士山南東斜面で雪崩・スラッシュ雪崩発生(改訂版) 小森次郎(名古屋大学環境科学研究科.ブータン国経済省地質鉱山局) 富士山南東斜面の富士山スカイラインの赤塚観測点(EL1280m)では,2月17日午後9時から18日午前8時の間に150mm,特に午前4時〜6時の2時間で68mmの強い雨があり(図1),山頂の気温は午前5時50分〜6時に-3.7度を記録した(図2).富士山南東斜面での過去の記録から復元したスラッシュ雪崩の発生条件は,山頂気温が-5度以上,赤塚での3時間の連続雨量が約50mm以上であることから,今回の荒天でもスラッシュ雪崩の発生が十分に考えられた. これを受け,筆者は2月20日に現地調査を実施し,その結果以下のことが明らかになった. ・富士山の
年の瀬も押し詰まった2004年12月29日、自転車で近鉄の廃線跡を辿ってきました。廃線といえばスタンドバイミーを気取りたくなりますが、実際に辿ってみるとそんな気分にはなれません。孤独と恐怖という現実が襲いかかってくるのでした。今回は列車が暴走を始めてから事故に至る過程を廃線跡を辿りながら振り返ってみます。 ※事故要約 「昭和46年10月25日、近鉄大阪線の単線区間において名古屋行き特急がブレーキを失い暴走、難波行き特急とトンネル内で正面衝突。死者25名、負傷者225名の大惨事となった―。」 全長が3.4キロにもおよぶ青山トンネル東側坑口です。 事故列車はATSの誤作動により青山トンネル出口直前で急停車しました。 しかしATSが解除できないため、運転士は手動にてブレーキコックを操作。 そしてブレーキを解除、下り傾斜に沿って列車はゆるゆると動き出しました。 青山トンネル(写真右奥)を出るとすぐ
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