「石川直樹さんに会ってみませんか?」 とある編集者の方が、糸井重里にそんな提案をしたのは、 秋も深まりつつあるころのことでした。 石川直樹さんは、写真家でありつつ、 七大陸の最高峰登頂を世界最年少で達成した 若き冒険家としても知られている人です。 以前から石川さんの著作や写真集に触れ、 その行動力と作品の強さに惹かれていた糸井重里にとって、 その提案は願ってもないことでした。 そして、はじめて会ったふたりは、意気投合。 おもしろいことに、 そこでふたりが交わしたことばの多くは、 「写真」について、でした。 糸井重里は、もちろんカメラマンではありませんし、 写真をきわめようと思っているわけでもなく、 カメラについての知識があるわけでもありません。 (写真が好きかどうかだって、あやしいものです) それでも糸井は、ご存じのように ほぼ日刊イトイ新聞のトップページに 毎日写真を掲載していますし、