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  • 余生をサドルの上で過ごす~55歳の野望

    ・55歳から始めるロードバイク ・格安ロードバイクを嗤(わら)うことなかれ ・余生をサドルの上で過ごす~55歳の野望 ・中高年初心者は距離よりも時間を重視せよ 著作権フリーの適当な画像が見当たらないので、自転車雑文については動画を貼りつけることにした。尚、ラベル(カテゴリー)を「ロードバイク」から「自転車」に変えた。紹介するのはTHURSDAYBOMBER氏の投稿で、私が自転車に乗ろうと思い立ち、最初に見つけた動画である。住んでいる場所が近いこともあって釘づけとなった。彼は恐るべき人物で自転車で相模原市から北海道や九州まで訪れ、最近に至ってはアジア諸国をも駆け抜けている。それだけではない。山中湖までジョギングしたり、キックボードで鹿児島から神奈川まで帰ってくるような鉄人である。目出度く医師となったのだが、医師らしからぬ引きこもり系キャラが独特の魅力を発揮している。 何をするにせよ遅すぎるこ

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    sessendo 2018/09/04
  • 人間は世界を幻のように見る/『歴史的意識について』竹山道雄

    ・『昭和の精神史』竹山道雄 ・『竹山道雄と昭和の時代』平川祐弘 ・『見て,感じて,考える』竹山道雄 ・『西洋一神教の世界 竹山道雄セレクションII』竹山道雄:平川祐弘編 ・『剣と十字架 ドイツの旅より』竹山道雄 ・『ビルマの竪琴』竹山道雄 ・『人間について 私の見聞と反省』竹山道雄 ・『竹山道雄評論集 乱世の中から』竹山道雄 ・人間は世界を幻のように見る ・『主役としての近代 竹山道雄セレクションIV』竹山道雄:平川祐弘編 ・『精神のあとをたずねて』竹山道雄 ・『時流に反して』竹山道雄 ・『みじかい命』竹山道雄 ・必読書リスト その四 私は長いあいだ人間の心の動きを驚(おどろ)き怪(あや)しんできた。その謎(なぞ)を解きたいと願っていたのだったが、その正体もはっきりとは摑(つか)めず、どこから手をつけていいかも分からない。ただ茫然(ぼうぜん)として手をこまねいている間に年月は奔(はし)って

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    sessendo 2018/09/04
  • 68歳で自転車デビュー/『こぐこぐ自転車』伊藤礼

    ・68歳で自転車デビュー ・『自転車ぎこぎこ』伊藤礼 ・『大東京ぐるぐる自転車』伊藤礼 ・『自転車で遠くへ行きたい。』米津一成 学校に着いたときには散々な気持ちになっていた。ずいぶん大変そうな顔をしていたに違いない。私の顔を見た守衛さんがびっくりして、どうかしましたかと訊いてくれたほどだ。事実、東京港を出発して南極に着いたぐらいの気分にはなっていた。 その日は、家に帰れば帰ったで、家人が「なんだってそんな顔をしているのよ」と言うのであった。夕方暗くなった環状7号線や青梅街道を、野方はまだか、高円寺はまだか、五日市街道はまだか、荻窪はまだか、とガタガタの歩道を尻の痛さをこらえながら我が家めざしてこぎまくる。あまりの痛さにそれではと車道に下りると、生意気な乗用車がすれすれに追い越してゆく。ひとの命のことなどすこしも考えない走りかただ。轟音をあたりに響かせて迫ってくる大型トラック、ぎりぎりに幅寄

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    sessendo 2018/09/01
  • 過去の歴史を支配する者は、未来を支配することもできる/『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明

    過去の歴史を支配する者は、未来を支配することもできる/『大東亜戦争で日はいかに世界を変えたか』加瀬英明 ・『学校では絶対に教えない植民地の真実』黄文雄 ・過去の歴史を支配する者は、未来を支配することもできる ・『世界が語る大東亜戦争と東京裁判 アジア・西欧諸国の指導者・識者たちの名言集』吉貞昭 ・『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン ・『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温 ・『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一 ・日の近代史を学ぶ 過去の歴史を支配する者は、未来を支配することもできる。日は先の戦争に敗れてから、自国の歴史を盗まれた国となってしまった。 歴史は記憶だ。記憶を喪失した人は、正常な生活を営むことができない。国家についても、同じことである。 【『大東亜戦争で日はいかに世界を変えたか』加瀬英明〈かせ・ひであき〉(ベスト

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    sessendo 2018/08/29
  • 「人種差別」こそが大東亜戦争の遠因/『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温

    ・『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス ・『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要 ・『ナット・ターナーの告白』ウィリアム・スタイロン ・『学校では絶対に教えない植民地の真実』黄文雄 ・『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン ・『大東亜戦争で日はいかに世界を変えたか』加瀬英明 ・『世界が語る大東亜戦争と東京裁判 アジア・西欧諸国の指導者・識者たちの名言集』吉貞昭 ・「人種差別」こそが大東亜戦争の遠因 ・ポルトガル人の奴隷売買に激怒した豊臣秀吉 ・『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一 ・『パール判事の日無罪論』田中正明 ・『だから、改憲するべきである』岩田温 ・日の近代史を学ぶ ・必読書リスト その四 何故、日人は戦争を選んだのでしょうか。驕っていたとの批判は甘受しても構いません。何故に、日人は戦争を選んだ

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    sessendo 2018/08/28
  • 日本の憲法学が憲法を殺した/『日本人のための憲法原論』小室直樹

    ・『いちばんよくわかる!憲法第9条』西修 ・『平和の敵 偽りの立憲主義』岩田温 ・『だから、改憲するべきである』岩田温 ・日の憲法学が憲法を殺した ・『日戦争Q&A 兵頭二十八軍学塾』兵頭二十八 ・『「日国憲法」廃棄論 まがいものでない立憲君主制のために』兵頭二十八 ・『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動』伊藤祐靖 ・小室直樹 ・必読書リスト その四 現在の日には、さまざまな問題があふれかえっています。 10年来の不況、財政破綻(はたん)、陰惨(いんさん)な少年犯罪、学級崩壊、自国民を拉致(らち)されても取り返さない政府……実はこうした問題の原因をたどっていくと、すべては憲法に行き着くのです。 現在日が一種の機能不全に陥(おちい)って、何もかもうまく行かなくなっているのは、つまり憲法がまともに作動していないからなのです。 こんなことを言うと、みなさんはびっ

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    sessendo 2018/08/27
  • 大数学者、野良犬と跳ぶ/『風蘭』岡潔

    ・『春宵十話』岡潔 ・大数学者、野良犬と跳ぶ ・『紫の火花』岡潔 ・『春風夏雨』岡潔 ・『人間の建設』小林秀雄、岡潔 ・『天上の歌 岡潔の生涯』帯金充利 ・必読書リスト その四 ちかごろアメリカにジャンポロジーという学問――跳躍学とでもいうのでしょうか――ができて、こういうが出ている、といって見せてもらいました。これは、ある週刊誌の記者が東京からふたり来て、それを見せてくれたのです。それで、写真にとりたいからとんでくれ、とわたしにいうのです。 なさけないことを頼まれるものだ、犬に頼んでくれないかなあ、と思ったのですが、東京からわざわざ見えたのだから、それじゃとぼうかな、と思って外に出ました。 すると、近所のなじみののら犬がやってきて、いっしょにとんでくれたのです。 【『風蘭』岡潔(講談社現代新書、1964年/角川ソフィア文庫、2016年)以下同】 『天上の歌 岡潔の生涯』(帯金充利著)の

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    sessendo 2018/08/25
  • 楽園の現実/『エデン』近藤史恵

    ・『サクリファイス』近藤史恵 ・楽園の現実 ・『サヴァイヴ』近藤史恵 ・『キアズマ』近藤史恵 ・『スティグマータ』近藤史恵 ・『逃げ』佐藤喬 時速90キロの風の中、慎重にハンドルを切る。 勝てるかどうかわからない。だが、はじめて知った。そのわからないことが希望なのだと。 【『エデン』近藤史恵〈こんどう・ふみえ〉(新潮社、2010年/新潮文庫、2012年)以下同】 チカこと白石誓〈しらいし・ちかう〉がツール・ド・フランスで活躍する。無論、エースではなくアシストだ。 「新潮ケータイ文庫DX」で連載されたようだ。ウェブサイトが見つからないので既に撤収か。連載物は読者の興味をつなぎ留めるため通俗的な内容になりやすい。新聞小説など分量が短ければ短いほど難しいような気がする。 時折光る文章がちりばめられていて軽い読み物で終わらせない執念が窺える。 「賢いとは言えないが、尊敬に値するな」 「サクリファイ

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    sessendo 2018/08/23
  • 昭和20年代製造の自転車を米国人が執念の修復

    偶然見つけた動画である。「磨けば光る」――そんな単純な道理が長い理窟よりもわかりやすく伝わってくる。こうした作業を教育現場で紹介すれば、いじめも激減するのではなかろうか。皆が「光る何か」を持っていることに気づくからである。私がこよなく愛する「カノン」(パッヘルベル)をBGMにしているのも心を震わせる。何気なく検索したところブログも発見した。最初のページには大久保製作所社長のお孫さんのコメントがあり小さなドラマが生まれている。

    昭和20年代製造の自転車を米国人が執念の修復
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    sessendo 2018/08/22
  • 純粋直観と慈悲/『紫の火花』岡潔

    ・『春宵十話』岡潔 ・『風蘭』岡潔 ・純粋直観と慈悲 ・如何とも名状し難い強い懐しさの情 ・『春風夏雨』岡潔 ・『人間の建設』小林秀雄、岡潔 ・『天上の歌 岡潔の生涯』帯金充利 数学の研究は、主として純粋直観の働きによって出来るのです。ところで、私が数学の研究に没入している時は、自然に生きものは勿論殺さず、若草の芽も出来るだけ踏まないようにしています。だから純粋直観は、慈悲心に働くのです。 私は当によい数学者が出て来てほしいと思います。数より質が大事です。闇との戦いにはぜひ働いてほしいからです。(「新義務教育の是正について」) 【『紫の火花』岡潔(朝日新聞社、1964年/朝日文庫、2020年)】 【女性刺され重傷 中2男子逮捕】https://t.co/fdnZpm30SD 大阪府吹田市で7月、新聞配達中の女性が刺された事件で、府警は19日、殺人未遂などの疑いで府内の中学2年の男子生徒を

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    sessendo 2018/08/21
  • ツール・ド・フランス/『サクリファイス』近藤史恵

    ・ロードバイクという名のマシン ・ツール・ド・フランス ・『エデン』近藤史恵 ・『サヴァイヴ』近藤史恵 ・『キアズマ』近藤史恵 ・『スティグマータ』近藤史恵 ・『逃げ』佐藤喬 世界でいちばん有名なレースであるツール・ド・フランスでは、3週間にわたって、1日150キロ以上の距離を走り続け、その間、何度も峠を越える。走行距離は3000キロを越え、高低差は富士山を9回上り下りするのに匹敵する。しかも、2日ある休養日を除けば、1日たりとも休むことは許されない。休んだ時点で、リタイアとなる。 【『サクリファイス』近藤史恵〈こんどう・ふみえ〉(新潮社、2007年/新潮文庫、2010年)以下同】 州縦断(※青森県下北半島の大間町から山口県下関南霊園まで)の距離が太平洋側で紀伊半島をぐるっと回っても2000km少々である。富士山を9回上れば3.4万mだ(因みにエベレストの標高は8848m)。実際は自転車

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    sessendo 2018/08/20
  • 古本屋の殴り書き: 三島への愛惜と厚情/『三島由紀夫の死と私』西尾幹二

    ・『国民の歴史』西尾幹二 ・『決定版 三島由紀夫全集 36 評論11』三島由紀夫 ・『三島由紀夫が死んだ日 あの日、何が終り 何が始まったのか』中条省平 ・三島への愛惜と厚情 ・『昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日が受けた衝撃』中川右介 彼(※保守系知識人)らは過激な死を嫌って、逃げ腰でした。 【『三島由紀夫の死と私』西尾幹二(PHP研究所、2008年/戎光祥出版増補新訂版、2020年)以下同】 西尾幹二は一時期よくテレビに出演していた。一見して小柄で表情の乏しい大きな顔と傲岸な話しぶりが悪印象として残った。かつての保守系は強面(こわもて)タイプが多かったように思う。映画に出てくるアメリカ南部のオヤジみたいで、信念を論理的に述べるのではなく思い込みをでかい声でまくし立てるのが所謂「右」であった。 前にも書いたが私が西尾を見直したのは東北大震災後、原発推進派から反対に転じたことだ。

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    sessendo 2018/08/19
  • 三島由紀夫が憂えた日本の荒廃/『三島由紀夫が死んだ日 あの日、何が終り 何が始まったのか』中条省平

    ・『決定版 三島由紀夫全集 36 評論11』三島由紀夫 ・三島由紀夫が憂えた日の荒廃 ・『三島由紀夫の死と私』西尾幹二 ・『昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日が受けた衝撃』中川右介 三島由紀夫の死には、政治的な速効性はありませんでしたし、三島自身もそんなことは初めから思ってもいませんでした。しかし、30年以上たった今から考えると、彼の最後の行為は、戦後日の精神的荒廃への生命を賭した警告という意味が際だって見えてきます。この日の荒廃を、三島は一貫して、今のインタビュー発言にもあるとおり、「偽善」と呼んでいます。 「偽善」とは、民主主義の美名のもとに人間の生き方や国の政策に関する意思決定を自分でおこなおうとせず、個人と社会と国家のとりあえずの目的を経済成長(つまり金もうけ)のみに置き、精神の空虚を物質的繁栄で糊塗する態度にほかなりません。 【『三島由紀夫が死んだ日 あの日、何が

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    sessendo 2018/08/17
  • 古本屋の殴り書き: 数学は論理ではなく情緒である/『春宵十話』岡潔

    ・『天上の歌 岡潔の生涯』帯金充利 ・数学は論理ではなく情緒である ・『風蘭』岡潔 ・『紫の火花』岡潔 ・『春風夏雨』岡潔 ・『人間の建設』小林秀雄、岡潔 ・必読書リスト その四 人の中心は情緒である。情緒には民族の違いによっていろいろな色調のものがある。たとえば春の野にさまざまな色どりの草花があるようなものである。 私は数学の研究をつとめとしている者であって、大学を出てから今日まで39年間、それのみにいそしんできた。今後もそうするだろう。数学とはどういうものかというと、自らの情緒を外に表現することによって作り出す学問芸術の一つであって、知性の文字版に、欧米人が数学と呼んでいる形式に表現するものである。 私は、人には表現法が一つあればよいと思っている。それで、もし何事もなかったならば、私は私の日的情緒を黙々とフランス語で論文に書き続ける以外、何もしなかったであろう。私は数学なんかをして人

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    sessendo 2018/08/15
  • 祖父の教え/『天上の歌 岡潔の生涯』帯金充利

    ・祖父の教え ・『春宵十話』岡潔 ・『風蘭』岡潔 ・『紫の火花』岡潔 ・『春風夏雨』岡潔 ・『人間の建設』小林秀雄、岡潔 文一郎の教えはただ一つ、 「他人(ひと)を先にして、自分をあとにせよ」 であった。これは、前述したように私財をなげうって村のために尽くした文一郎の言葉だけに、幼い潔の胸にも非常な説得力を持って響いたことだろう。そして文一郎は、この唯一の戒律を潔がきちんと守っているかどうか、遠くから見守ったのであった。戒律というのは自ら進んで守らなければ意味がない。だから「遠くから見守る」ということが非常に大切だったのである。 そして潔もその教えを徹底的に守り抜いたようである。潔は一時期、八重の自分に対する無条件でひたむきな愛情を利己的な愛情であると言って非難したことがあったというが、それは、母親がわが子を愛するのも「他人(ひと)を先にする」ことに反していると潔が思ってしまったからであっ

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    sessendo 2018/08/15
  • 格安ロードバイクを嗤(わら)うことなかれ

    ・55歳から始めるロードバイク ・格安ロードバイクを嗤(わら)うことなかれ ・余生をサドルの上で過ごす~55歳の野望 新宿でサイクルメンテナンス(ブログ)を経営する飯倉清氏の動画である。格安ロードバイクを嗤(わら)うことなかれ。むしろ高価なロードバイクで失敗するよりは、入門用としてお薦めできる。

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    sessendo 2018/08/14
  • ロードバイクという名のマシン/『サクリファイス』近藤史恵

    ・ロードバイクという名のマシン ・ツール・ド・フランス ・『エデン』近藤史恵 ・『サヴァイヴ』近藤史恵 ・『キアズマ』近藤史恵 ・『スティグマータ』近藤史恵 ・『逃げ』佐藤喬 かちり、とシューズがビンディングペダルにはまった。 こぎ出す瞬間は、少し宙に浮くような、頼りない感覚。だが、それは2~3度ペダルを回すだけで消える。 ホイールは、歩くよりも軽やかに、ぼくの身体(からだ)を遠くまで運ぶ。サドルの上に載った尻(しり)など、ただの支えだ。緩やかに回すペダルと、ハンドルで、ぼくの身体は自転車と繋(つな)がる。 この世でもっとも美しく、効率的な乗り物。 最低限の動力で、できるだけ長い距離を走るために、恐ろしく計算され尽くした完璧(かんぺき)なマシン。これ以上、足すものもなく、引くものもない。空気を汚すことすらないのだ。 自転車の中でも、より速く走るためだけに、ほかのすべての要素をそぎ落としたの

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    sessendo 2018/08/13
  • 日本はキングではなくエンペラーを持つ唯一の国/『アンダー・プロトコル 政財暴一体で600億円稼いだ男の錬金哲学』猫組長

    ではあまり知られていないがヨーロッパにおいては貴族・王族を保有しているかいないかが、その国の価値を決める一つの基準になっている。民主主義国歌となった現在でも、モナーク(君主)を持っているかいないかは、ナショナルバリューにおいては非常に大きな問題なのだ。あの芸術大国を誇るフランス人の最大のコンプレックスこそ、貴族や王族の不在である。18世紀、世界に先駆けて市民革命を起こしたことで、フランスの貴族や王族は滅亡。そのことで、王室外交においてフランスは格下に置かれたのだ。 IMFが2017年に発表したデータによれば、世界の名目GDPランキングでフランスはイギリスに次いで6位、デンマークはフィリピンより1つ上の35位である。このように経済規模ではフランスに比べて圧倒的に小国なデンマークだが、外交においては非常に尊重されている。その理由はデンマークが、世界で2番目に古い王室を持っているからである。

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    sessendo 2018/08/08
  • 自転車運動の利点/『大人のための自転車入門』丹羽隆志、中村博司

    自転車運動の利点 ・『ロードバイク初・中級テクニック』森幸春 自転車運動はそのスピードによって、常に風を受けるので汗が蒸発しやすい運動なのだ。 自転車運動では、大汗をかきながら苦しい運動をすることなく、汗の蒸発によって体温は適正に保たれる。そのため、必要な心拍数を保ちながら楽しく運動を継続できる。これが、自転車運動の最大のよさかもしれない。 【『大人のための自転車入門』丹羽隆志〈にわ・たかし〉、中村博司(日経済新聞社、2005年/日経ビジネス人文庫、2012年)以下同】 文章が硬くて読みにくいが内容はかなり充実している。事の改善からメンテナンス法まで網羅。エンゾ早川や菊地武洋のような後味の悪さがないだけでも評価すべきか。 自転車は良書が少ない。好きなものに対してただ情熱を込めて好きと言われても説得力に欠ける。そこに知性と情緒が加わらなければ読み物としては成り立たない。 肥満の人は主

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    sessendo 2018/08/08
  • 「児玉誉士夫小論」林房雄/『獄中獄外 児玉誉士夫日記』児玉誉士夫

    ・『篦棒(ベラボー)な人々 戦後サブカルチャー偉人伝』竹熊健太郎 ・「児玉誉士夫小論」林房雄 ・『大東亜戦争肯定論』林房雄 ・『われ敗れたり』児玉誉士夫 ・『芝草はふまれても 巣鴨戦犯の記録』児玉誉士夫 ・『悪政・銃声・乱世 児玉誉士夫自伝』児玉誉士夫 ・『われかく戦えり 児玉誉士夫随想・対談』児玉誉士夫 ・『随想 生ぐさ太公望』児玉誉士夫 ・『児玉誉士夫 巨魁の昭和史』有馬哲夫 児玉誉士夫を知って早くも30年が過ぎた。互いに仕事の場を異にしているので、会い語る機会は少なかったが、目に見えぬ心の糸はつながっていた。その糸の最も強いものの一つは、この不思議な人物がときどき発表する自伝風の著書である。 巻数は少なかったが記された文字のすべてが、強く私の胸を打った。私も長く文字の道にたずさわっている者の一人だから、文章の真贋だけはわかるつもりだ。この人は嘘の言えない人、嘘を行えない人である。爆発

    「児玉誉士夫小論」林房雄/『獄中獄外 児玉誉士夫日記』児玉誉士夫
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    sessendo 2018/08/06