中西さん「勇気もらった」 環境リスク論で評価―文化勲章 時事通信 編集局2024年10月25日13時31分配信 文化勲章の受章が決まった横浜国立大の中西準子名誉教授(86)は「時代の変化によって自分の研究結果が評価されたと思う。今回の受章決定でさらに勇気をいただいた」と感謝を表した。 先達に並び「僕でいいのかな」 文化功労者の吉田和生さん 中西さんは、ダイオキシンをはじめとした環境汚染物質のリスク評価に関する研究に携わってきた。「あるリスクを減らすと別のリスクが生じる。全体の評価が重要というのが私の考え方だ」とした一方、「リスクゼロを目指す人の多い日本では、私の考え方が批判されたこともあった」と明かす。 東京大で女性初の工学系教授に就任するなど、先駆者としても知られる中西さん。「現在も女性の研究環境は不十分だ」と指摘した上で、「女性研究者を増やすだけではだめ。研究成果の質が上がるような方策
日本被団協は、広島や長崎で被爆した人たちの全国組織で、原爆投下から11年後の1956年に結成されました。当時は、日本のマグロ漁船、「第五福竜丸」の乗組員が、太平洋のビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で被ばくしたことをきっかけに国内で原水爆禁止運動が高まりを見せていました。 日本被団協は、それから68年間にわたり、被爆者の立場から核兵器廃絶を世界に訴える活動や被爆者の援護を国に求める運動を続けてきました。 東西冷戦のさなか、国連の軍縮特別総会に3回にわたって代表団を派遣し、被爆者が、みずからの体験をもとに「ノーモア・ヒバクシャ」と訴え核兵器の廃絶を迫りました。 また、国連や世界各地で原爆の写真展を開くなど地道な活動を続け、原爆投下から60年となる2005年のノーベル平和賞の授賞式では、ノーベル委員会の委員長が、日本被団協について「長年、核廃絶に取り組んできた」と敬意を表しました。 核兵器
地球の全生物の共通祖先「ルカ」 地球のすべての生物は、ただ一つの共通の起源を持つと考えられている。この、共通の起源となった生物集団をルカと呼ぶことがある。これはLast Universal Common Ancestorの頭文字を繋げたもの(LUCA)で、「全生物の共通祖先」などと訳される。 ルカは「地球における最初の生物」ではない ちなみに、「全生物の最終共通祖先」のように「最終」をつける意味は、ルカを一つの生物集団に特定するためだ。なぜなら、ルカは、地球における最初の生物というわけではないからだ。おそらく、ルカより古い時代に生きていて、ルカに至る系統と分岐した後で、絶滅してしまった生物もたくさんいたはずだ。 そう考えると、じつは、ルカの祖先ならすべて「全生物の共通祖先」になってしまう。それでは不便なので、時代的に最後の共通祖先だけをルカと呼ぶために「最終」がついているのである(図「ルカ
ブラジルを流れるアマゾン川の支流、ネグロ川の季節的な氾濫で浸水した森林で、ガイドのロベルト・アブディアス・ゴメス・ダ・シルバがカポック(パンヤノキ)の板根(ばんこん)の前に立ち、最高水位の跡を指し示す。この木の幹は氾濫時に水を蓄え、乾期に備える。(PHOTOGRAPH BY THOMAS PESCHAK) 世界最大の多雨林は500年もの間、外部の人間に誤解されてきた。最新技術を駆使した研究で、従来の見方は大きく変わりつつある。 アマゾンがその名で呼ばれるようになったきっかけは、1542年6月24日に起きた出来事だ。スペインのフランシスコ・デ・オレリャーナはこの日、窮地に陥った自身の探検隊が緑の世界から脱出できるよう神に祈っていた。一行はアンデス山脈の麓からいくつもの支流を下り、7カ月かけてようやく、誰も見たことがないような大河に出たのだった。この川を下っていけば、程なく大西洋に出られるだろ
2024年9月10日、京都府立大学が、特定非営利法人日本料理アカデミーと共同で、『日本料理大全』のデジタル版を同大学のウェブサイト上で一般公開しました。 『日本料理大全』は、日本料理の技法を科学的に理解し、自分の料理に取り入れて実践できるよう、日本料理アカデミーが制作した料理教本です。日本語版と英文版があり、現在までに5巻が刊行されています。 国内外を問わず和食のさらなる発展と和食文化を担う人材の育成を目指し、一般公開を開始するとあります。 報道・広報(京都府立大学) https://www.kpu.ac.jp/ ※2024年9月10日付けで「日本料理大全 デジタルブックの一般公開について」とあります。 日本料理大全デジタル版 京都府立大学サイトにて公開!(日本料理アカデミー, 2024/9/10) https://culinary-academy.jp/taizen_digital_bo
水俣病は、最初の患者が公式に確認されてから70年の節目を2026年に迎える。しかし政府は被害の範囲を把握しようともせず、患者たちは「自分たちが全員死んで水俣病が消滅するのを待っているのか」と憤りを露わにする。 そんな患者のそばにはいつの時代も支援者がいた。かつて「支援」と言えば、デモや座り込みなど原因企業チッソや行政と激しく衝突するイメージだった。しかし今、その支援者たちの子として生まれ、時に「第2世代」と呼ばれる人たちは新しい視点で水俣病に向き合おうとしている。その視点は、教科書でしか水俣病を知らない若者が共感を抱くきっかけにもなっているようだ。(熊本県民テレビ記者 東島大) この夏、筑波大学付属駒場高校の生徒たちが熊本県水俣市を訪れた。生徒みずから質問事項を事前にまとめ水俣病問題を学ぶ旅だ。母親の胎内で水俣病になり、水俣病の公式確認と同じ年に生まれた坂本しのぶさん(68)との交流はその
弓矢には、一万年にも及ぶ長い歴史があります。縄文時代の始まりと相前後して出現し、小動物の狩猟に適した道具として考案されたと考えられています。弥生時代以降は戦闘における武器としての用途が重要になります。ただし、実用的な武器としてだけでなく、武威を象徴する道具としての役割もあり、古墳に副葬された大量の弓矢や平家物語に描かれるエピソードなどからも知ることができます。その後、戦国時代における鉄炮の伝来によって長い射程を持つ実用的な武器としての重要性は大きく減退しますが、武術の一つである弓術や、神事における実演という形で、現在までその命脈を保っています。 弓矢はその長い歴史の中で、様々な形や材質のものが現れ、移り変わっていきます。こうした弓矢の多様性には、当時の社会の中で弓矢が果たした役割や重要性、弓矢の製作に関わる技術の変革、弓矢を製作する材料の入手、弓矢を製作あるいは保有した集団の伝統など、様々
「日本人の祖先はどこからやってきたのか」。このロマンに満ちた問いに対しては、祖先は縄文人と大陸から渡来した弥生人が混血したとする「二重構造モデル」が長くほぼ定説となっていた。そこに日本人のゲノム(全遺伝情報)を解析する技術を駆使した研究が盛んになり、最近の、また近年の研究がその説を修正しつつある。 日本人3000人以上のゲノムを解析した結果、日本人の祖先は3つの系統に分けられる可能性が高いことが分かったと理化学研究所(理研)などの研究グループが4月に発表した。この研究とは別に金沢大学などの研究グループは遺跡から出土した人骨のゲノム解析から「現代日本人は大陸から渡ってきた3つの集団を祖先に持つ」と発表し、「三重構造モデル」を提唱している。 理研グループの「3つの祖先系統」説は「三重構造モデル」と見方が重なり、従来の「二重構造モデル」の修正を迫るものだ。日本人の祖先を探究する進化人類学はDNA
鹿児島県の離島である奄美大島。 そんな奄美大島の空港に降りると、驚くことがある。 とにかく、空港の土産物屋が「黒糖」一色なのだ。そのままの黒糖はもちろん、黒糖チョコレート、黒糖ピーナツ、黒糖バナナ。はては黒糖焼酎から黒糖とよもぎを使った黒いお餅「ふちもち」まで。いやはや、これでもかというほどの「黒糖」推し。 奄美大島の人はそんなに黒糖が好きなのかとも思ったが。じつは、島には、黒糖にまつわる知られざる暗黒時代があった。俗にいう「黒糖地獄」である。 島の歴史を語る上で「黒糖」だけは外せない。 ということで、「知る旅―奄美大島」の次の取材先はコチラ。 昭和60(1985)年創業の「水間(みずま)黒糖製造工場」である。 水間黒糖製糖工場 奄美大島とは切っても切れない「黒糖」。そんな黒糖を昔ながらの手作業で製造し、今なお伝統を守り続けている「水間黒糖製造工場」を訪れた。 今回は、黒糖製造に携わる人た
死の貝:日本住血吸虫症との闘い (新潮文庫 こ 28-2) 作者: 小林 照幸 出版社: 新潮社; 文庫版 発売日: 2024/4/24 小林照幸『死の貝 日本住血吸虫症との闘い 』(新潮文庫)が注目されている。4月24日に上梓されて以来、現在4刷、累計2万6千冊のスマッシュヒットだ。26年前の1998年に出版された本が、なぜいまこんなに注目を浴びているのか。以前より小林照幸の本を”激推し”してきた東えりかと、医学者・仲野徹が話を聞いた 仲野 『死の貝』は昔読んだ記憶があったけれど、文庫化されたのも20年以上時間が経ってからだし、こんなに注目されることってある?と不思議になりました。どうして突然文庫化されたんですか? 小林 それは新潮社さんからご説明頂きましょうか。 編集部 もともと新潮社の営業部と未来屋書店で、月に一回、情報交換の定例会議をしています。そのなかで女性書店員さんが「そういえ
新刊では海外の最新研究動向をふまえ、嘘・間違いだらけの日本のカレー史研究を全面的に刷新します。 『新しいカレーの歴史 上』冒頭部分無料公開 その2です。 第一章 謎の幻視と『美味しんぼ』から始まった、間違いだらけのカレー史研究2.謎の幻視と『美味しんぼ』から始まった、間違いだらけのカレー史研究 ヘースティングズ総督がイギリスに初めてカレーをもたらした、C&Bが初めてカレー粉を商品化したといった日本人だけが騙されている嘘情報は、1989年に出版された新書版・森枝卓士『カレーライスと日本人』によって提唱された(ただしヘースティングズ伝承説は2015年の文庫化の際に撤回)。 そして翌年1990年に出版された当時の国民的人気マンガ『美味しんぼ』第24巻にこの本が取り上げられたことで、嘘情報が日本全体に拡散され、定着してしまったのである。 『美味しんぼ』第24巻には森枝本人が登場し、マンガの登場人物
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