デジタル世界の情報セキュリティー問題を扱う専門家は悪夢のシナリオを思い描くのが大好きだ。私たちの401K(確定拠出年金)を空っぽにしてしまうドローン。冷蔵庫を爆発させる電子メールの添付ファイル。映画をハッキングし、出演している豪女優マーゴット・ロビーの映像をすべてCG(コンピューターグラフィックス)のドクター・フィル(米で人気のトーク番組で司会を務める精神科医)に置き換えてしまうソフトウエア――。 8月上旬にラスベガスで開催された情報セキュリティーの専門家による毎年恒例の国際会議「ブラックハット」とハッカーの技術力を競う「デフコン」で、こんな悪夢のシナリオが話題に上った(ラスベガス自体がある意味、悪夢のような街だが)。ブラックハットのようなイベントではすでに、自動運転車を狙ったランサムウエア(身代金要求ソフト)の話が専門家の間で取り沙汰されていた。ドライバーがお金を支払わない限り、車内から
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