「はんこをやめろ」 河野大臣の呼びかけに、霞が関はざわつき、押印のために出社せざるをえなかった人たちは喜んだ。新型コロナウイルスが、日本のデジタル化を一気に進めることになるかもしれない。 「行政のむだ撲滅」を掲げてきた河野、やり遂げることができるのか。 (稲田清、鹿野耕平) 「はんこ廃止」でデジタル化を一気に 菅内閣の発足から1週間余りがたった、9月25日のこと。 「正当な理由がない行政手続きについては、『はんこをやめろ』ということを押し通そうと思う」 規制改革担当大臣の河野太郎は、こう宣言した。 「はんこがなくなると、画面の中で完結したものをそのままメールで送ることができるようになるし、行政側も、自動で集計ができるとか、利便性を高めていくことができる」 霞が関のすべての府省庁に対し、行政手続き上の押印を不要とするよう求めた。 この「はんこ廃止」、実は5年前にも河野は検討していた。安倍政権