ブックマーク / econ101.jp (13)

  • タイラー・コーエン「ジョナサン・ハイトとの会話(抜粋)」

    [Tyler Cowen, “My conversation with Jonathan Haidt,” Marginal Revolution, March 28, 2016] 書き起こしとポッドキャストだけで,動画はなし.このフォーマットでさらにシリーズを続けていく予定だ.ジョナサンは絶好調だった.ちょっとだけ抜粋しよう: コーエン:すごく根的な問いに話を移すと――左翼の人らと右翼の人らのことなんだけどね.ここではとりあえずアメリカに話をしぼっておこうか.人間として,彼らって右左以外でどこがどうちがうと思う? あるいは,なにかほぼ偶発的なトリガーがあって,それで特定の要素をもった人らが左翼にいって,それと別の要素をもった人らが右翼にいってるけど,それがなければ同じ服を着て配偶者を同じように扱うのかな? 彼らって根からちがうの? ハイト:根からちがってるわけではないけれど,素質はち

    タイラー・コーエン「ジョナサン・ハイトとの会話(抜粋)」
  • ポール・クルーグマン「にっちもさっちもいかないアメリカの道路」

    Paul Krugman, “An American Road to Nowhere,” Krugman & Co., May 2, 2014. [“The Folly of Prudence,” April 29, 2014 / “A Monetary Puzzle,” April 28, 2014. ] にっちもさっちもいかないアメリカの道路 by ポール・クルーグマン Jim Wilson/The New York Times Syndicate アメリカの道路は,多くがかなりひどい状態になってる――先週,家族の用事でニュージャージーからマサチューセッツまで車で往復してみた経験で,これは証言できる.この事実を,その下地にあるマクロ経済状況と組み合わせてみると(マクロ経済の話はこのあとすぐ),道路修復にかなりの金額を支出すべきって主張は当たり前に思える. さて,オバマ大統領は先日,実際

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  • ポール・クルーグマン「歪曲のせいでインフレをめぐる妄想がますますひどくなる」

    Paul Krugman, “Distortions Fuel Paranoia About Inflation,” Krugman & Co., April 21, 2014. [“Oligarchy and Monetary Policy,” The Conscience of a Liberal, April 16, 2014] 歪曲のせいでインフレをめぐる妄想がますますひどくなる by ポール・クルーグマン MEDI/The New York Times Syndicate 低いインフレ目標ののぞましさについてどう語られているか――というか,どう語られていないか――ってことを,このところ考えてる. 先日書いたように,国際通貨基金の「世界経済展望」レポートはインフレ目標を2パーセント以上に上げるべきだと説得的な主張を展開してる――でも,そうはっきりと書くのは避けて,分かる人には分かる

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  • クルーグマン「アメリカの新たな雇用の現実」

    Paul Krugman, “America’s New Employment Reality”, October 11 2013. アメリカの新たな雇用の現実(2013年10月11日) by ポール・クルーグマン Jenn Ackerman /The New York Times Syndicate 何年にもわたって,ぼくみたいな連中は,雇用をめぐってこんな主張をする人たちと,繰り返し論争してきた.その人たちに言わせると,「失業率が高くなってる理由は,アメリカの労働者たちが21世紀経済に必要な技能をもちあわせていないから」なんだそうだ.この主張には,明言されないもののたいていこんな含意がともなう――そこで話題にしてるのはテクノロジーにかかわる技能,科学と数学の知識,そして一般に最先端の技能だ,という含意だ. ぼくの側からの反応はいつでもこれだ:「お金はどうなってんのよ」 特定の技能の供給

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  • アレックス・タバロック 「貿易、経済発展、遺伝的距離」(2013年10月7日)

    ●Alex Tabarrok, “Trade, Development and Genetic Distance”(Marginal Revolution, October 7, 2013) 貿易は、経済発展を促す。・・・とは言っても、その主要な推進力となるのは、比較優位でもなければ、オーソドックスな「貿易の利益」でもないようだ。むしろ、アダム・スミスやポール・ローマーが強調している要因、すなわち、「規模に関する収穫逓増」や「アイデアの伝播」が主要な推進力となっているらしい。貿易は、「規模に関する収穫逓増」を介してイノベーションや研究開発投資を刺激する一方で、海外のアイデア――国内では知られていない新しいアイデア――に触れる機会を提供して、新たなアイデアの伝播を促す可能性があるのだ。 しかしながら、アイデアのやり取り(交換)は、財のやり取り(交換)と比べると、ずっと難しい。例えば、小麦の価

    アレックス・タバロック 「貿易、経済発展、遺伝的距離」(2013年10月7日)
  • タイラー・コーエン 「スイスでベーシックインカム導入?」(2013年10月5日)

    ●Tyler Cowen, “Will the Swiss vote in a guaranteed annual income?”(Marginal Revolution, October 5, 2013)/【訳者による追記】ちなみに、ベーシックインカムの導入の可否をめぐる国民投票は2016年6月5日に実施され、反対多数で否決されている。 すべての成人を対象としたベーシックインカムの導入の可否をめぐり、スイスで国民投票(レファレンダム)が実施される運びとなった。金融危機以降の所得格差の拡大に抗う積極主義(activism)がスイス国民の間でさらにその勢いを増していることを示す証拠の一つと言えよう。 スイスに在住するすべての成人に対して、政府が無条件で毎月2500フラン(2800ドル) [1] 訳注;現在の為替レートで換算すると、日円ではおよそ27万円 を支給する、というのが今回の提案の

    タイラー・コーエン 「スイスでベーシックインカム導入?」(2013年10月5日)
  • クルーグマン「アメリカでの保険医療をめぐる政治の機能停止状況」

    Paul Krugman, “In the U.S., a Political Showdown Over Health Care”, September 26, 2013. アメリカでの保険医療をめぐる政治の機能停止状況 by ポール・クルーグマン Gabriella Demczuk/The New York Times Syndicate © The New York Times News Service 10年ほど前,エッセイ集『嘘つき大統領のデタラメ経済』の「イントロダクション」で,こんなことを書いた――他の誰でもなくヘンリー・キッシンジャーの定義により,現代の共和党は「革命勢力」だ.キッシンジャーの定義では,通常の政治の規範をいっさい受け入れず,ただ急進的な立場をとろうとするばかりでなく,人々が理解している統治システム全体を毀損するかたちで行動する勢力のことを革命勢力という. 当

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  • ジレンマなトリレンマ? BY MICHAELl W KLEIN, JAY C. SHAMBAUGH

    Michael W Klein, Jay C. Shambaugh “Is there a dilemma with the Trilemma?” (VOX; September 27, 2013) 開かれた資市場と固定為替相場は金融政策の自由裁量と両立しないという「国際金融のトリレンマ」が、最近揺らいでいる [1]訳注: 金融政策が可能になるには変動相場か資市場規制のいずれかが必要になる。 。変動為替相場においてすら、資規制がなければ金融政策の自由裁量を維持できないという主張をする研究者がいる一方で、固定為替相場の国においても、一時的な資規制によって金融政策の自由裁量を得ることができると主張もなされている。稿では、自由な変動為替相場は実際に金融政策の自由裁量をもたらし、部分的な変動相場は部分的な自律性をもたらすという主張を行う。固定為替相場の国において、資規制はそれが広い範囲

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  • クリステンセン 日本に財政の崖はない—シンプルなAS-AD分析

    Lars Christensen There is no ‘fiscal cliff’ in Japan — a simple AS-AD analysis” The Market Monetarist 9/5/2013 ラルス・クリステンセンはダンスク銀行(デンマーク最大手銀行)の主席アナリストでエマージング市場分析とクロスアセットアロケーションの責任者。2001年までデンマーク政府の経済政策分析官として勤務。Milton Friedman – en pragmatisk revolutionær の著者。コペンハーゲン大学より修士号(経済学)取得。 1990年代にミルトン・フリードマンが日銀行にやるべきと主張していたこと(日をデフレから脱出させるためにマネタリーベースを拡大すること)が実際に機能することは、もはや非常に明白である。名目支出成長は加速していて、それとともにデフレは終焉

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  • スコット・サムナー 「マネタリズムは日銀の中で生きている!」(2013年9月2日)

    ●Scott Sumner, “Monetarism lives!”(TheMoneyIllusion, September 2, 2013) 時にケインジアンは、マネタリズムを1970年代の遺物のように見なす傾向にある。今となってはその姿をどこにも確認できないというのだ。そのような理解はある意味では正しいが、別の意味ではこれほど間違った認識もない。コメント欄でH_Wasshoiが教えてくれたのだが、今年4月に開催された日銀行の金融政策決定会合の議事要旨(pdf)には、次のような記述がある [1] 訳注;議事要旨からの引用は、日語の議事要旨(pdf)の文章をそのまま転載している点に注意されたい。 。 Ⅵ.採決 1.金融市場調節方針 以上の議論を踏まえ、委員は、金融市場調節方針を、無担保コールレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更したうえで、マネタリーベースが、年間約60~

    スコット・サムナー 「マネタリズムは日銀の中で生きている!」(2013年9月2日)
  • スキデルスキー、イギリスおよび労働党の惨状を嘆く

    ロバート・スキデルスキーが激おこプンプン丸である。 労働党が保守党・自由民主党の連合政権をうまく攻撃出来ていないからだ。労働党の影の厚生大臣であるアンディ・バーナムは国民健康サービス (National Health Service) を争点にしたい構えだが、スキデルスキーは「そこじゃないだろ!」と。 The Prime Minister and Chancellor are keen to persuade us that austerity has been worth it. Unemployment has fallen for a second quarter running; there are the first signs of growth for two years. By concentrating on the elements of unfairness in t

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  • アメリカのトップ1%は成長の果実を(不当にも)独り占め

    2008年に発生した金融危機以降、アメリカの所得トップ1%を巡る論争が激しさを増している。トップ1%の所得の伸び率はそれ以外の層よりも顕著に大きく、また1%の中でも格差が拡大しているが、その伸びがそれぞれの層の生産性の伸び(あるいは限界生産)を反映しているかどうかが論争の主要部分である [1]現在の標準的な経済学の世界では生産性を反映した絶対的な格差はあまり問題にしない。 これについてアメリカ経済学会が発行しているJournal of Economic Perspectiveが特集を組んでいる [2]このジャーナルは一般のメディアと学界の成果を結びつけることが目的のため無料で読める。。今回はBivens & Mishelによる“The Pay of Corporate Executives and Financial Professional as Evidence of Rents in

    アメリカのトップ1%は成長の果実を(不当にも)独り占め
  • 「アドルフへの道:社会資本はかくのごとくドイツ最初の民主主義を打倒せり」 By Hans-Joachim Voth, Nico Voigtländer, Shanker Satyanath

    「アドルフへの道:社会資はかくのごとくドイツ最初の民主主義を打倒せり」 By Hans-Joachim Voth, Nico Voigtländer, Shanker Satyanath Hans-Joachim Voth, Nico Voigtländer, Shanker Satyanath “Bowling for Adolf: How social capital helped to destroy Germany’s first democracy“(5 August 2013) from VOX ワイマール共和国の崩壊は、残忍なナチス体制に権力の座をもたらし、世界の歴史の転換点となった。稿では、社会資に対する大部分の考えとは対照的に、良く結びついた社会が負の結果をもたらしうるということを主張する。イデオロギーとは無関係に、戦間期のドイツにおける高密度の社会ネットワークは、

    「アドルフへの道:社会資本はかくのごとくドイツ最初の民主主義を打倒せり」 By Hans-Joachim Voth, Nico Voigtländer, Shanker Satyanath
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