ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (61)

  • 日本の若者の貧困化が「パラサイト・シングル」を増加させる

    「パラサイト・シングル」という言葉がある。学校卒業後も実家で親と同居する独身者のことで、家賃や費等の基礎的な生活費がかからないため、給与のほとんどを自分の遊興費などにあてられる。 一見優雅な生活のようにも見えるが、このような生活が続くと実家を出て結婚しようというモチベーションがおきなくなる。女性の場合、現状と同レベルの生活を保証してくれる男性がいないと、結婚する気にならない。しかし今の時代、そんな男性は滅多にいないので、理想の相手が見つかるまで親元での生活を続けることになる。日の未婚化が進んだ原因をパラサイト・シングルに求めるという説もある(山田昌弘『パラサイト・シングルの時代』ちくま新書,1999年)。 この「パラサイト・シングル」、若者の何%くらいいるのだろうか。日以外の国ではどうか。国際比較の統計は無いようなので、作ってみた。2010~14年に実施された『世界価値観調査』のデー

    日本の若者の貧困化が「パラサイト・シングル」を増加させる
  • 銃乱射犯に共通する「本物の男」信仰

    ブロック・ターナー(左) とオマル・マティーン Santa Clara County Sheriff's Department--Reuters, Omar Mateen via Myspace--Reuters <男としての特権的地位を守るためには何をしてもいい──アメリカの一部の男たちが共有する特有のカルチャーが多くの暴力犯罪を生んでいる> この週末、アメリカは衝撃的なニュースに揺れた。民間では史上最多の犠牲者を出した銃乱射事件だ。理不尽な悲劇は、怒りや悲しみ、そして無力感を引き起こす。 同時に、忘れ去られる事件もある。スタンフォード大学の水泳選手ブロック・ターナーがフラタニティ(男性学生クラブ)のパーティーで、飲み過ぎで意識を失った女子学生をレイプした事件だ。ターナーは先週、禁錮6カ月の実刑判決を受けたが、報道によると3カ月で仮釈放される見通しだ。「刑務所の夏休み」とも揶揄される甘い

    銃乱射犯に共通する「本物の男」信仰
  • 大卒の価値が徐々に低下する日本社会

    は「学歴社会」と言われている。学歴社会とは、富や地位の配分に際して学歴が影響する度合いが高い社会のことだ。 日の場合、25~34歳の高卒就業者の賃金を100とすると、同年齢の大卒就業者の賃金は144(2012年)となり、大卒の給与は高卒の1.4倍多い。しかしこの相対値がもっと高い国もあり、アメリカは170、南米のチリでは261にもなる。大学進学率が低いチリでは、大卒者の希少価値が高いからだ。 【参考記事】学歴や序列さえも無意味な「新しい平等な社会」へ 一方、学歴による差がほとんどない国もある。北欧のノルウェーでは、高卒者に対する大卒者の相対賃金は107でほぼ同じだ。学費が無償であるためか大学進学率が高く、大卒の学歴の価値が相対的に下落している。 大卒者の割合と、高卒に対する大卒の相対賃金をとった座標上に世界各国を配置すると、大卒学歴の社会的性格が見えてくる。<図1>は、25~34歳の

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  • 財政赤字を本気で削減するとこうなる、弱者切り捨ての凄まじさ

    <片手に指が1でもあれば就労可能──イギリスにおける障害の認定基準はそう皮肉られるぐらい厳しくなった。財政赤字削減を公約に掲げて2010年に首相になった英保守党デービッド・キャメロン首相の「改革」の結果だ。イギリスが初めて福祉国家の体制を作った1945年以来、これほど弱者に苛酷だったことはないという。巨額の財政赤字とバラまきをやめない政治家を抱える国すべてへの警鐘> 写真はロンドンで集会をする障害者(2012年) イギリスの障害者にとって、現在は大いなる試練のときだ。5年以上におよぶ緊縮財政と福祉保障制度改革の結果、何十万人にも及ぶ障害者は困窮し、病状を悪化させてきた。責任は、幾つかの政策にある。 【参考記事】イギリス、今さら暴動のなぜ イギリスにおける障害者の権利がこれほど長期にわたって危機にさらされたのは、福祉国家の形が整った1945年以来初めてのことだ。当時のクレメント・アトリー首

    財政赤字を本気で削減するとこうなる、弱者切り捨ての凄まじさ
  • 「国家崩壊」寸前、ベネズエラ国民を苦しめる社会主義の失敗

    隣国コロンビアから卵を密輸してきた男(手前)。モノ不足で高く売れる Girish Gupta- REUTERS 原油の確認埋蔵量で世界一を誇るベネズエラの経済が、長年の社会主義政権のつけで崩壊寸前の危機にある。「経済的崩壊」が現実味を帯びてきたと言っていい。以下に、ベネズエラの状況を伝えた各メディアのレポートを紹介する。 1. ベネズエラ経済は、風が吹かれるクレーンのようなものだ。いつ倒れてもおかしくない。原因はただ一つ、同国の徹底した社会主義体制だ。米大統領選の自称社会主義者、バーニー・サンダースと彼の支持者が、なぜ身近にある社会主義の末路を気にも留めていないのか不可解だ。 [参考記事]南米の石油大国ベネズエラから国民が大脱走 信じられないことだが、原油の埋蔵量で世界一のベネズエラが、今や原油を輸入している。ノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンはかつて「もし社会主義政権にサハ

    「国家崩壊」寸前、ベネズエラ国民を苦しめる社会主義の失敗
  • フィリピン大統領選、過激発言のダバオ市長ドゥテルテ氏が勝利を手中に

    5月10日、フィリピン大統領選は、過激発言で知られるロドリゴ・ドゥテルテ氏(写真)の勝利が濃厚な情勢となった。ダバオ市で9日撮影(2016年 ロイター/Erik De Castro) 9日投票のフィリピン大統領選挙は、「犯罪者は射殺」など過激な発言で知られる南部ミンダナオ島ダバオ市長、ロドリゴ・ドゥテルテ氏の勝利が濃厚な情勢となった。 選挙管理委員会が公認する監視団体が発表した途中集計結果によると、ドゥテルテ氏の得票率は約39%に達し、当選をほぼ確実にした。 1420GMT(日時間午後11時20分)時点で、ドゥテルテ氏は1210万票を獲得しているのに対し、対抗馬のグレース・ポー上院議員、アキノ氏の後継指名のマヌエル・ロハス氏はともに約680万票と、大きく引き離されている。ポー氏はこれを受け、敗北を認めた。 ドゥテルテ氏は、高い成長率が過去数年続いたにもかかわらず、貧困や格差問題を解決でき

    フィリピン大統領選、過激発言のダバオ市長ドゥテルテ氏が勝利を手中に
  • 『オマールの壁』主演アダム・バクリに聞く

    不当な暴行 イスラエル兵から侮辱的な扱いを受けたオマールは、襲撃作戦の決行をタレクとアムジャドにもちかける さまざまな国際問題の中でも、長らく解決できず、多くの犠牲者を生み、中東の不安定化の要素にもなっているパレスチナとイスラエルの紛争――。和平交渉が進むかと思えば中断し、なかなか解決の糸口が見えない。 和平を阻む大きな要因であり、国際的にも非難されているのがイスラエルによる占領地への入植活動と分離壁の建設だ。「パレスチナ人による自爆テロを防ぐため」とイスラエル側が主張する分離壁だが、大半はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸とイスラエルの境界(グリーンライン)ではなく、パレスチナ内にい込む形で建てられている。建設中止・撤去を求める国連決議や国際司法裁判所の勧告も、イスラエルは無視し続けている。 そんな分離壁が横断するヨルダン川西岸を舞台にした『オマールの壁』が日公開中だ。監督は、05年『パ

    『オマールの壁』主演アダム・バクリに聞く
  • なぜ日本には「左派勢力の旗手」が出現しないのか?

    今週のアイオワ党員集会では、自称「民主社会主義者」のサンダースがヒラリーに肉薄した Rick Wilking-REUTERS 各州の予備選が始まったアメリカの大統領選では、民主党のバーニー・サンダース候補に若者の支持が集まっています。今月1日のアイオワ党員集会では、盤石と言われたヒラリー・クリントン陣営に1%未満の差まで詰め寄る一方で、今月9日に予定されているニューハンプシャーの予備選では自身の選挙区バーモントの隣ということもあって、大差での1位が見込まれています。 このサンダースですが、60年代から「反戦・反格差」を主張として掲げており、自分は「民主的な社会主義者」という立場を一貫して通しています。さらに大統領選で「政治による革命を目指す」としています。政策としては「空前の大増税を行って富裕層の富を吐き出させ」、「スウェーデンや日のような政府一元化の健康保険制度」を導入、さらには「公立

    なぜ日本には「左派勢力の旗手」が出現しないのか?
  • クルーズが副大統領候補に元HP・CEOフィオリーナ氏を指名

    4月27日、米大統領選で共和党候補指名を目指すテッド・クルーズ上院議員は、指名が確定した場合、元ヒューレット・パッカードCEOのカーリー・フィオリーナ氏を副大統領候補に選ぶと発表した。写真はインディアナポリスの政治集会で、副大統領候補指名を発表した後に聴衆に応えるクルーズ氏(写真右)とフィオリーナ氏(写真左)(2016年 ロイター 米大統領選で共和党候補指名を目指すテッド・クルーズ上院議員は27日、指名が確定した場合、元ヒューレット・パッカード最高経営責任者(CEO)のカーリー・フィオリーナ氏を副大統領候補に選ぶと発表した。 クルーズ氏は「フィオリーナ氏は注意深く、慎重で、真剣だ。慌てることもない」と評価した。 フィオリーナ氏は2月に指名争いから撤退。その1カ月後にクルーズ氏支持を表明。それ以降、民主党指名獲得が濃厚となっているヒラリー・クリントン前国務長官に対する批判を強めている。

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  • トランプが外交演説で「米国第一」強調、同盟国は防衛費の負担増を

    4月27日、米大統領選の共和党候補指名争いでリードする実業家のドナルド・トランプ氏(写真)は27日、外交政策に関する演説を行い、「米国第一」の立場を強調した。25日撮影(2016年 ロイター/Dominick Reuter) 米大統領選の共和党候補指名争いでリードする実業家のドナルド・トランプ氏は27日、ナショナル・プレス・クラブで外交政策に関する演説を行い、「米国第一」の立場を強調した。 自らが政権を任されれば、欧州やアジア地域の同盟国は米国が供与する「防衛の傘」への財政負担の増額を要求するとした上で、それが無理なら同盟国は自衛すべきと主張。「今こそ米国の外交政策の錆を落とし、新たな声とビジョンを取り入れようではないか」と語った。 さらに「わたしの外交政策はいかなる時もまず米国民の利益と米国の安全保障を念頭に置くものであり、これこそがあらゆる決定の土台となる。『米国第一』こそがわたしの政

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  • 米予備選、東部5州はトランプ全勝、民主はクリントンが4州押さえる

    4月26日、米大統領選に向けた民主・共和両党の候補指名争いは、26日に東部のペンシルベニア州など5州で予備選が行われた。共和党では不動産王のドナルド・トランプ氏が5州すべてで勝利。写真はニューヨークで25日撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid) 米大統領選に向けた民主・共和両党の候補指名争いは、26日に東部のペンシルベニア州、メリーランド州、コネティカット州、ロードアイランド州、デラウェア州の5州で予備選が行われた。 共和党では指名争いで首位を走る不動産王のドナルド・トランプ氏が5州すべてで、1週間前のニューヨーク州予備選に匹敵する得票差をつけ勝利。極めて重要となる来週のインディアナ州予備選に向けて力強さを見せつけた。 民主党では指名獲得が有力視されるヒラリー・クリントン前国務長官がメリーランド州、デラウェア州、ペンシルベニア州、コネティカット州の4州で勝利。バーニ

    米予備選、東部5州はトランプ全勝、民主はクリントンが4州押さえる
  • オバマが就任式に託したリベラルの夢

    バラク・オバマ米大統領の2期目の就任式は、いくつかの「史上初」に彩られていた。まずキューバ系アメリカ人の詩人リチャード・ブランコが、史上最年少で大統領就任式で詩を朗読する役を任された。移民を両親に持つブランコの選出もヒスパニック系として史上初。同性愛者であることを公に認めている人物としても初めてだ。 ブランコが読み上げた詩のタイトルは「今日の1日」。アメリカの平凡な日常がどれだけ彼のようなマイノリティーも含めたアメリカ人に恵み深いものかを歌い上げた希望の詩の一部を紹介しよう。 今日、1つの太陽が私たちの頭上に上り、海や岸の上で燃え上がり、スモーキー山脈の向こうからちらりとのぞき、五大湖の水面に映り、純然たる事実を大草原地帯に広め、ロッキー山脈を渡って行った。その1つの光は家々の屋根に降り注いで目を覚まし、その下の窓の向こうでは、声にならない物語が語られた。 朝、鏡に映る私の顔、あなたの顔、

  • トランプ「自分に合ったトイレ使用を」、反LGBT法を批判

    4月21日、米大統領選で共和党候補指名を目指すドナルド・トランプ氏は、トランスジェンダーが政府や学校の施設で出生証明書に記載された性別のトイレを使用するよう規定したノースカロライナ州の新法は不必要であり、自分に合ったトイレの使用が認められるべき、との考えを示した。写真はニューヨークで撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid) 米大統領選で共和党候補指名を目指すドナルド・トランプ氏は21日、トランスジェンダー(心と身体の性が一致しない人)が政府や学校の施設で出生証明書に記載された性別のトイレを使用するよう規定したノースカロライナ州の新法は不必要であり、自分に合ったトイレの使用が認められるべき、との考えを示した。 トランプ氏は、NBCの番組で「いまのままで良い。現状に対して苦情はほとんどない」と語った。 新法に対しては、企業や芸能人、活動家らが撤回を求めているほか、州の観光

    トランプ「自分に合ったトイレ使用を」、反LGBT法を批判
  • バングラデシュ唯一のLGBT誌エディター、なたで殺害

    バングラデシュで発行されている初のLGBT(性的少数者)誌「ループバーン」の編集者ともう1人の男性が4月25日、首都ダッカで殺害された。 殺害された編集者のズルハズ・マナン(35歳)は、現地の米大使館内にある米国際開発庁(USAID)の職員でもあった。もう1人の犠牲者はタナイ・モジュムダール(通称トノイ)だとバングラデシュのメディアは報じている。2人は同性愛者であることを公表し、LGBTへの差別やバングラデシュが抱える諸問題に対する意識を高めようと、仲間と共にループバーン誌を立ち上げた。バングラデシュでは、同性愛は刑罰の対象になり得る。 ダッカ・トリビューン紙の報道によれば、宅配業者を名乗る約6人の男たちがダッカのカラバガン地区にある部屋に、午後5時ごろ侵入。男たちはなたを振るってマナンとモジュムダールを殺害した。ほかにも男性2人が大ケガを負っている。 親愛なる友人だった バングラデシュで

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  • 同性愛の客室乗務員がなぜ、同性愛は死刑のイランに飛ばなければならないのか

    使命感? 「たとえ死刑にされかねなくても、多くの国に飛ばなければならない」 Gonzalo Fuentes/REUTERS エールフランスは先週末、週3回のパリ-テヘラン便の運航を再開した。イランの核開発に対する制裁として停止した2008年以来。1月の制裁解除で実現した。 だが、誰もがイランに行きたいわけではない。エールフランスのゲイの客室搭乗員(CA)はテヘラン便での勤務を拒否している。イランでは、同性愛は死刑にも値する罪。イランに飛ぶことを拒否する権利をゲイに認めよ、という呼びかけには2万6000件以上の署名が集まっている。 「行けば弾圧されるとわかっている国に行かされるなんて考えられない」と、署名を呼び掛けた自称ミスター・ロウレントは言う。 【参考記事】【動画】セクシュアリティーの「新常態」 エールフランスでは今月初め、イランに付いたら頭髪をスカーフで覆わなければならない、などの規定

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  • インターネットで他人を血祭りにあげる人々

    ツイッターでアメリカの情報を追っている人は知っているかもしれないが、2013年12月にある女性が書いたツイートが、世界的に大炎上する事件があった。 IACというネットサービス企業でPRのシニア・ディレクターという要職に就いていたジャスティン・サッコは、当時30歳で、洗練された金髪美人だった。ニューヨークから南アフリカへの長旅の途中、乗り換えのロンドン・ヒースロー空港で次のようなツイートをして、飛行機に乗り込んだ。 "Going to Africa. Hope I don't get AIDS. Just kidding. I'm white!" (アフリカに向かっているところ。エイズにかからないといいけど。冗談よ〜。だって私、白人だもん) ぱっと見ると、人種差別丸出しのひどいツイートだ。けれども、ジャスティン人は、アメリカのスタンドアップコメディアンがよく使う自嘲のテクニックで「愚かな白

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  • サンダース旋風の裏にある異様なヒラリー・バッシング

    野次と暴言 サンダース支持者の中にはヒラリーを「体制」側とみなして攻撃する若い男性たちがいる(ニューハンプシャー州予備選イベントで、筆者撮影) 2008年の大統領選挙では、若者たちがバラク・オバマを熱狂的に支持した。共和党のブッシュ大統領(当時)が始めたイラク戦争が泥沼化し、膠着状態に陥った連邦議会への不信が高まるなか、黒人で、新人上院議員のオバマは、「政治と国を変えてくれる救世主」としてすがりつくのに最適の人物だった。当時若者の間では、アメリカの古い世代とその価値観を否定する行為として、フェイスブックの名前のミドルネームをオバマにならって「フセイン」にするのが「かっこいい」こととして流行った。 今回2016年の大統領予備選挙で、リベラルな若者たちから熱狂的に支持されているのは、自称「民主的社会主義者」のバーニー・サンダースだ。昨年大統領選への出馬を発表したときには、メディアから「絶対に勝

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  • サンダースを熱狂的に支持する若者たちは、民主主義を信じていない

    目立つ若者 予備選間近のニューハンプシャー州で行われたサンダースの支援集会 Shannon Stapleton-REUTERS 民主主義について考えると、若者のことが心配になる。 民主主義は崩壊しつつある。ハーバード大学のロベルト・フォアとヤスチャ・モンクが先ごろ発表した研究によると、政治や選挙についてだけでなく、民主主義そのものに対する失望が広がっているのだという。 これは世界的な傾向だが、アメリカの若い世代でとくに顕著だ。1980年以降に生まれたアメリカ人で、民主主義国家に暮らすことが大切と答えた人の割合は30%に満たない。1970年以降に生まれたアメリカ人では、民主主義を「悪い」あるいは「非常に悪い」とした人が5人に1人を超える。1950年から1970年の間に生まれた人と比較してほぼ2倍の割合だ。 筆者は数十年にわたり、民主主義と民主主義政治を研究してきた。その間ほぼずっと、民主主義

    サンダースを熱狂的に支持する若者たちは、民主主義を信じていない
  • ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

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  • 黒人青年射殺事件「不起訴」の衝撃 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    今年8月の発生以来、深刻な人種間対立を招いていたミズーリ州ファーガソンの白人警官ダレン・ウィルソンによる黒人青年マイケル・ブラウン氏射殺事件について、アメリカ時間の11月24日夜、大陪審の審理が終了しウィルソンは不起訴となりました。 大陪審というのは、有罪無罪を決定する法廷ではなく、この事件に関する「起訴・不起訴」を決定するだけの審理です。それに3カ月も要したというのは、要するに陪審員の合意形成に難航したということなのだと思います。 基的な構図としては、黒人住民の認識としては「武装していないブラウン氏をウィルソンが一方的に射殺した」として、「人種差別事件」だと猛抗議を続けているわけです。また市警察の側としては、ブラウン氏が暴力的な態度を取るなど、身の危険を感じた場合は「相手を無害化する護身措置」を取るのは警察官として当然であり、ミズーリ州法によれば犯罪を構成せず、従って逮捕拘束の措置もし

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