文化財や伝統文化を通じて地域活性化を図る「日本遺産」の新たな候補として、文化庁は16日、千葉県富津市と鋸南町にまたがる鋸山を選んだ。これから3年間の活動が十分と判断されれば、正式認定となる。石切り場跡や石仏文化を中心とした自然と歴史、文化が息づく鋸山を巡る今後の魅力発信が注目される。 鋸山は、富津市側で房州石と呼ばれる良質な石材がかつて切り出され、幕末以降は台場や海堡、港湾などに使われるなど、日本の近代化を基礎から支えた産業遺構が残る。また、鋸南町側の南麓には、日本寺を中心に巨大な磨崖仏や千五百羅漢像などの仏教関連遺跡が点在する。 富津、鋸南の両市町は、昨年度の認定がかなわなかったものの、新たな制度で設けられた「候補地域」を目指して「天空の岩山が生んだ信仰と産業~房州石の山・名勝地鋸山は自然と歴史のミュージアム~」のテーマで再び申請。この結果、課題を設定し、対策しようとしている点、基本的に