大げさでもなんでもなく、それこそ「あっ」という間です。 筋肉は、三〇歳くらいから減りはじめ、七〇歳で約三分の二になります。ところが、大腿部、お尻、背中の筋肉はとくに減少が著しく、七〇歳で、なんと半分になってしまいます。つまり、年に約一パーセントという速度で減っていくことになります。それでも、五年十年が経過して、はじめて、「ああ落ちたな」と感じるくらいのゆっくりした速度かもしれません。 普通に生活していればこの程度なのですが、健康な人に寝たきりの生活をしてもらうと、実に驚くような結果が出ます。 食事も寝たまま、排せつも寝たまま。すると、わずか一日で〇・五パーセントも筋肉が細くなるのです。二日なら一パーセントも細くなります。たった二日で一年分の筋肉が減ってしまうのです。(中略) なぜ、このようなことになるかというと、人間の体はなかなかうまくできていて、筋肉を使わないのなら、筋肉を減らす