川口:はい。まず、自社でDVDを売っていること。海外セールスも直接やっている。配給も前々作(「星を追う子ども」)まではCWFが劇場と直接やってきたこと、は大きいと思います。DVDの利益は自分で売ったら意外に大きい。それで「いい作品を作る」前輪と、「会社を存続、成長させる」後輪が噛み合った。 なるほど。自社流通ならば、卸になるわけですから取り分がずっと大きい。軽く倍以上になりますね(卸の取り分は大まかに頒価の6割、流通を任せる場合は2割前後と言われる)。 川口:そして先ほど(前編参照)の、DVDの販売が振るわないことについていえば、新海誠作品はダメージを受けていません。なぜならば、乱発していないからです。 DVDが売れない時代でも、新海作品は売れる テレビアニメは1クールごとに数十タイトル×5巻とかで、新作が出るけれど…。 川口:新海作品は、だいたい3年に1本です。パッケージの値段も抑えめ。