もう桜も散る頃合いになってしまったが、年始のことから書こう。 今年、最初に私が出掛けたコンサートは、坂入健司郎指揮東京ユヴェントゥス・フィルのマーラー交響曲第3番だった。アマチュアの指揮者、団体である。 すばらしいコンサートだった。なんの留保もなく音楽に没頭できた。気が付くと、私はごく当たり前に音楽といっしょに呼吸し、その美を楽しんでいた。まったく稀なことである。 私は、これまで日本のプロオーケストラに対しては厳しいことを書いてきた。ひとことで言って、偽物くさいとしか思えないからである。偽物なら偽物で、驚くほどすごい偽物であれ。それなら、文句など言わない(ま、偽物だとは言いますけどね)。 もしかしたら・・・。 昨年からなんとなく思っていたのだが、スーパー・アマチュアの時代が到来したのではないか。大きなオーケストラが存在しつづけるのはたいへんなことだ。ベルリン・フィルですら、集客に余念がない