オフィスで終業時刻に音楽を流し、帰宅を促す試みが広がりつつある。お店が閉店まぎわに「蛍の光」のメロディーを流すのと同じ手法だ。長時間労働を減らす「働き方改革」は、待ったなしの課題。はたして効果はあるのだろうか。 東京・新宿のオフィスビルに入居する三井ホーム本社。社員約100人が机を並べるフロア。ゆったりとしたピアノ曲が流れる。 午後6時に突然、映画「ロッキー」のテーマ曲に切り替わった。終業時刻を告げる合図だ。 社員が次々と立ち上がり、「私は7時までかかります」「私はこれで帰ります」。机を接する同じ班で順番に宣言していく。残業が長くなりそうな社員には、上司がアドバイスしたり、周りが手伝いを申し出たりして、早く帰宅できるよう協力し合う。 オフィスで決まった時間帯に音楽を流す取り組みは、総務、経理、人事などの部署で2014年10月から始めた。社員のリラックスや、メリハリをつけて働いてもらうのが狙