白書では、高齢者の中で独り暮らしの人の割合が増加し、2030年には男性17・8%、女性20・9%に達するという推計値を提示した。特に男性の増加が顕著だとしたうえで、「男性の独り暮らしは社会から孤立しているものが多い」と懸念を示している。 65歳以上の高齢者は09年10月1日で2901万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は過去最高の22・7%に達した。1980年には男性4・3%、女性11・2%だった独り暮らしの割合は、05年には男性9・7%、女性19・0%となった。 独り暮らしの高齢者は他の世帯と比べて健康や生活費などの心配を抱えている人が多く、内閣府の調査でも「友人との交際が少ない」「日頃の会話が少ない」と回答する割合が高いとした。そのうえで、高齢者の孤立を防ぐため、働く機会を増やしたり、地域に交流の場を設けたりすることを提唱した。