【ローマ=柳沢亨之】21日付バチカン紙オッセルバトーレ・ロマーノは、ローマ法王ベネディクト16世がコンドーム使用について「正当化される場合があるかもしれない」と発言した、と報じた。 法王がコンドーム使用を一部容認する可能性を公言したのは初めて。 発言は、ドイツ人記者とのインタビューを収めた23日出版の新著からの引用として報じられた。それによると、法王はコンドームの使用を「真のHIV(エイズウイルス)感染対策ではない」とした上で、売春者を守る目的での使用は「倫理的に正しい方向となり得る」と語った。 カトリック教会は「性交渉は妊娠のための行為」との立場から、経口避妊薬やコンドームなど人工的な避妊を禁止。現法王は昨年3月、アフリカを歴訪中に「コンドームはエイズ予防に役立たない」と発言し、エイズ対策団体などの強い反発を招いた。