2015年を象徴する漢字に「安」が選ばれるなど、2015年は安全保障関連法制を始めとする安全保障問題に揺れた年であった。 その2015年も暮れに差し掛かった12月15日、航空自衛隊の次期戦闘機であるF-35の組み立てが日本国内で開始されたと、アメリカ空軍が発表した。 F-35の導入を巡っては、製造から運用に至る様々な面で壁があった。F-35導入を巡る政権の動きは、近年進められた安全保障政策の転換と無縁ではない。 一兵器に過ぎないF-35が、なぜ政策の転換を促す要因になり得たのか。国産(組み立て)F-35の完成を前に、F-35の開発・製造・運用における制度的特色から、どのような面が日本の安全保障に影響を与えたのかについて振り返りを行いたい。 国際共同開発(仮)F-35 第5世代ジェット戦闘機F-35の開発は、1990年代に統合打撃戦闘機(JSF)計画として始まった。 アメリカの空軍、海軍、海