これまで幾度も映像化された筒井康隆の中編小説の映画化。と言っても、物語は筒井原作をベースとした外伝的なオリジナル作品。主演の仲里依紗の力によって十分な魅力を持つ作品となったが、原作テーマの把握など、脚本の追い込みが甘い。演出○、脚本×、俳優◎という印象。 大学に合格したばかりの芳山あかり(仲里依紗)だったが、ある日、研究者の母・和子(安田成美)が交通事故で意識不明となる。あかりが病室に赴くと、和子は目を覚まし「1972年の4月、深町一夫に会いに行く」と起き上がろうとする。あかりは病身の和子のかわりにその時代に行くことを決意し、母親の研究室に行って彼女が研究していたタイムリープの薬を入手。しかし、誤って1972年4月ではなく1974年2月に行ってしまう。あかりは、そこで知り合った大学生の涼太のアパートに転がり込み、いっしょに深町一夫を捜すことになる。 『時をかける少女』は、これまで映画では3