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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/TRiCKFiSH (17)

  • 『告白』監督:中島哲也(2010年) - TRiCK FiSH blog.

    湊かなえによるベストセラーのミステリー小説映画化。とは言え、原作を単純に映像化せず、中島哲也独特の演出によって大幅に原作と印象が異なる出来になった。それは、5年、10年に一の出来と言ってもいい。 物語は、ある中学校の終業式の日から始まる。1年生を受け持つ若い女性教師・森口悠子(松たか子)は、ホームルームの時間に、学級崩壊のごとく大はしゃぎする生徒たちに、滔々と話し続ける。数ヶ月前、学校のプールで幼い娘を失った彼女は、その死が事故によるものではなく、このクラスの生徒2人・少年A(西井幸人)と少年B(藤原薫)による殺人だと“告白”し、そのプロセスについて説明する。 以降の物語は、少年Bの母親(木村佳乃)、同じクラスの少女(橋愛)、少年A、それぞれの独白=告白がシャッフルされて描かれていく。原作で言えば、1章はそのままで、2章以降がミックスされて進んでいく。冒頭の30分を除けば、ほとんどは

  • だれが映画を壊すのか?:『RAILWAYS』Twitter試写会の問題点 - TRiCK FiSH blog.

    Twitter試写会の問題点はなにか? 松竹が配給し、5月29日に公開される『RAILWAYS』という映画がある。『ALWAYS 三丁目の夕日』を制作したプロダクション・ROBOTが創った作品だ。しかし、この作品の宣伝で、かなりまずいことが行われようとしている。それが「リアルツイッター試写会」だ。 これは、一般から募集された60人が、スクリーンで映画を観ながら、携帯電話からTwitterでつぶやくという試写会だ。募集の条件が「フォロアー50人以上」であることから、それなりの波及効果を狙っているものだと推察できる。 この宣伝に対して、既に疑問を呈しているひとは多くいる。代表的なものを以下にふたつ紹介しておく。・「映画監督入江悠 日記 - Twitterをしながら映画を観ること。【RAILWAYSの試写会】」http://blog.livedoor.jp/norainufilm/archiv

  • 『第9地区』監督:ニール・ブロンカンプ(2009年) - TRiCK FiSH blog.

    アカデミー賞作品賞にノミネートされたSF映画。細部に甘い点はあるが、演出で引き込んでいく傑作。 舞台は南アフリカ。1982年、ヨハネスブルグの上空に巨大な宇宙船が現れ、なかにはエビ(prawn)のかたちをしたエイリアンがたくさんいた。南アフリカ政府は、難民として彼らを「第9地区」に受け入れた。それから20数年後、第9地区はスラム化し、政府機関・MNUは、エイリアンたちを第10地区に移住させようとする。MNUエイリアン対策課でこの移住プロジェクトのリーダーとなったヴィカス(シャールト・コプリー)も、率先して彼らを家を訪問する。しかし、そこで彼は謎の液体を浴びてしまい、身体に異変が生じてしまう。 映画は、ドキュメンタリー形式で始まる。カメラは、移住政策の中心人物であるヴィカスを追う。ヴィカスは、陽気というよりもお調子者な感じで、エイリアンを強制移住させることを躊躇わない。彼は一軒一軒エイリアン

  • 『時をかける少女』監督:谷口正晃(2010年) - TRiCK FiSH blog.

    これまで幾度も映像化された筒井康隆の中編小説映画化。と言っても、物語は筒井原作をベースとした外伝的なオリジナル作品。主演の仲里依紗の力によって十分な魅力を持つ作品となったが、原作テーマの把握など、脚の追い込みが甘い。演出○、脚×、俳優◎という印象。 大学に合格したばかりの芳山あかり(仲里依紗)だったが、ある日、研究者の母・和子(安田成美)が交通事故で意識不明となる。あかりが病室に赴くと、和子は目を覚まし「1972年の4月、深町一夫に会いに行く」と起き上がろうとする。あかりは病身の和子のかわりにその時代に行くことを決意し、母親の研究室に行って彼女が研究していたタイムリープの薬を入手。しかし、誤って1972年4月ではなく1974年2月に行ってしまう。あかりは、そこで知り合った大学生の涼太のアパートに転がり込み、いっしょに深町一夫を捜すことになる。 『時をかける少女』は、これまで映画では3

  • 2009年度日本映画産業統計を読む - TRiCK FiSH blog.

    過去3年と同様、今年も日映画製作者連盟(映連)が先日発表した日映画産業統計を読み解きながら、日映画界を分析していく。http://www.eiren.org/toukei/index.html ●日映画産業全体の推移□2009年(平成21年)全国映画概況[括弧内は前年比]○入場人員/1億6929万7000人(105.5%)○興行収入/全体:2060億3500万円(105.7%)・興行収入/邦画:1173億900万円(101.3%)・興行収入/洋画:887億2600万円(112.3%)・興行収入/シェア=邦画:洋画=56.9%:43.1%○平均入場料金:1,217円(+3円)○公開数/全体762(-44)・公開数/邦画:448(+30)・公開数/洋画:314(-74)○映画館数:3,396スクリーン(+37scr) 興行収入、動員ともに2年ぶりの増加となった。興行収

  • 2009年度日本映画産業統計を読む:前編 - TRiCK FiSH blog.

    ●前編目次・日映画産業全体の推移・シネコン増加が鈍化・劇場の各種割引きサービスについて・『ROOKIES』『ヱヴァ:破』の大ヒット:日映画ヒット作1位〜5位・『ヤッターマン』『クローズZERO II』のヒット要因:日映画ヒット作6位〜10位・過去最高のヒットとなった『名探偵コナン』:アニメヒット作・『沈まぬ太陽』『劔岳 点の記』:日映画ヒット作11〜20位・『サマーウォーズ』『赤い糸』:日映画ヒット作21〜34位●後編(→リンク)目次・好調を維持する東宝・状況が改善しつつある東映・『おくりびと』がアカデミー賞を受賞した松竹・海外映画会社のローカルプロダクション・他の製作・配給会社の成績・インディペンデント系映画会社の倒産が相次ぐ・各テレビ局の製作作品・今年の見通し 過去3年と同様、今年も日映画製作者連盟(映連)が先日発表した日映画産業統計を読み解きながら、日映画界を分析して

  • 『インビクタス 負けざる者たち』監督:クリント・イーストウッド(2009年) - TRiCK FiSH blog.

    監督:クリント・イーストウッド/製作:ロリー・マクレアリー、ロバート・ロレンツ、メイス・ニューフェルド、クリント・イーストウッド/製作総指揮:モーガン・フリーマン、ティム・ムーア/原作:ジョン・カーリン/脚:アンソニー・ペッカム/撮影:トム・スターン/音楽:カイル・イーストウッド、マイケル・スティーヴンス/出演:モーガン・フリーマン、マット・デイモン、トニー・キゴロギ、パトリック・モフォケン、マット・スターン、ジュリアン・ルイス・ジョーンズ、アッジョア・アンドー、マルグリット・ウィートリー、レレティ・クマロ、パトリック・リスター、ペニー・ダウニー/制作プロダクション:Spyglass Entertainment、Revelations Entertainment、Malpaso Productions/日配給:ワーナー・ブラザーズ/北米配給:ワーナー・ブラザーズ/原題:"Invictu

  • 2009年・この日本映画が面白い! - TRiCK FiSH blog.

    今年は、いつもの年よりも意識的に映画を多く観た。しかも、珍しく試写や劇場にも足繁く通ったので、今年公開された映画はかなり観た。 というわけで、今年の1月1日から12月31日までに公開された日映画について、まとめて書いてみる。いわゆるベストテンである。総評やワースト作品については後半触れる(なお、外国映画編については、『アバター』をまだ観ていないので後日)。 僕の評価基準には、いくつかポイントがある。 もっとも重要なのは、プロダクト(製品)としての完成度だ。テーマ(味や思想)はともかく、ひとつの作品として完成しているかどうかという点。 次に重要なのが新しさ。要は、過去に類似作があるかどうか、あるいはジャンルムービーであればそのなかで際立っている点があるかどうか、さらには、俳役が新鮮かどうか等々。 その次に来るのが、テーマの新しさ。いまの時代に合っているかどうか、ひとむかしのテーマではないか

  • 2009年・この外国映画が面白い! - TRiCK FiSH blog.

    先日書いた「2009年・この日映画が面白い!」に引き続き、2009年の外国映画についてまとめる。対象となる作品は、昨年2009年の1月1日から12月31日までに公開された外国映画だ。 評価基準も日映画編と同様である。〈1〉プロダクト(作品)としての完成度〈2〉映画(映像)表現としての新規性〈3〉作品テーマの新規性 〈2〉と〈3〉は厳密には分けることはできないが、便宜的に分けている。〈2〉は表現論的な見地からの新規性で、〈3〉はどちらかと言えば社会反映論寄りの評価ということになるだろうか。 とは言え、外国映画の上位20作品ほどは、どれも完成度が高いために甲乙はつけがたい。なので、一応は順位をつけているが、あまりそれには意味がないと思っていただいて結構である。 また、前回の日映画編のブックマークで、以下のようなコメントをいただいたので、ここで補足しておく。作品の評価基準は大賛成だが、だか

    shibudqn
    shibudqn 2010/01/13
    「昨年は韓国映画の当たり年だった」
  • 2009年・日本映画このU-30俳優が良かった! - TRiCK FiSH blog.

    「2009年・この日映画が面白い!」に引き続き、昨年の日映画のまとめ第二弾としてU-30(30歳未満)の俳優に注目をしてみる。 僕はリアルタイムでドラマを観ることがほとんどないので(だいたいDVDでまとめて観る)、上戸彩や相武紗季のように、TVドラマを中心に活動する俳優についてはここでは扱わない。あくまでも、昨年面白い映画に出演した注目すべき俳優のみである。 2000年代になって、人気俳優が積極的に映画へ出演するようになった。たとえば、柴咲コウや小栗旬、蒼井優、松山ケンイチ、夫木聡、田中麗奈などがそうだ。 彼らが映画を選ぶ理由のひとつに、制作現場の充実がある。映画はドラマと比較すると時間をかけて作品を創る。予算もかかっているし、スケジュールもタイトではない。逆に、ドラマの現場はテレビ局の経費削減もあって、非常に厳しい状況になっている。仕事でさまざまな俳優にインタビューしていると、TV

  • 『女の子ものがたり』監督:森岡利行(2009年) - TRiCK FiSH blog.

  • 2008年度日本映画産業統計を読む - TRiCK FiSH blog.

    例年どおり、今年も1月末に2008年の日映画産業統計が発表された。http://www.eiren.org/toukei/index.html 昨年、一昨年に引き続き、今年もこの統計を読み解いていく。●日映画産業全体の推移□2008年(平成20年)全国映画概況○入場人員:1億6049万1000人(前年比98.3%)○興行収入/全体:1948億3600万円(前年比98.2%)・興行収入/邦画:1158億5900万円(前年比122.4%)・興行収入/洋画: 789億7700万円(前年比76.1%)・興行収入/シェア=邦画:洋画=59.5%:40.5%○平均入場料金:1214円(前年比-2円)○公開数/全体:806(前年比-4)・公開数/邦画:418(前年比+11)・公開数/洋画:388(前年比-15)○映画館数:3359スクリーン(前年比+138scr) 全体の興行収入は

  • http://d.hatena.ne.jp/TRiCKFiSH/20080820/p6

    shibudqn
    shibudqn 2008/08/21
    そんなにガラが悪いのか。神宮は平和だなー
  • マンガ界にエージェント制は馴染むのか? - TRiCK FiSH blog.

    『金色のガッシュ!!』の作者である雷句誠氏が、原稿紛失をした小学館を訴えたことが話題となった。雷句氏は自身のページで、紛失原稿料の算定などをするとともに、『週刊少年サンデー』の編集者を批判している。・雷句誠の今日このごろ。http://88552772.at.webry.info/200806/article_2.html 次いで、『快感♥フレーズ』などのヒット作がある新條まゆ氏が、自身の体験を交えて、編集者とマンガ家との関係について声明を発表した。・まゆたんブログhttp://blog.mayutan.com/archives/51397618.html そして、『サルでも描けるマンガ教室』(作画:相原コージ)や『チャイルド★プラネット』(作画:永福一成)などの原作を担当した、編集家の竹熊健太郎さんが、マンガ家と出版社・編集社の関係について書いた。・たけくまメモ「マンガ界崩壊を止めるため

    shibudqn
    shibudqn 2008/06/23
    エージェントは超一流しか使えないのかな… スタジオ制(リーマン漫画家)とセットで導入するなら可能性あると思うのだが。
  • 2006-01-06 - TRiCK FiSH blog.

    shibudqn
    shibudqn 2008/06/10
    実話なのだが、「それ何てエロゲ」と思った
  • 女性ファッション誌ポジショニングマップ・2008:『文化社会学の視座』より - TRiCK FiSH blog.

    上の図は、今年春(3月)の段階での女性ファッション誌のポジショニングマップです。 4年前にも、私は『日経エンタテインメント!』2004年9月号、三浦展著『かまやつ女の時代』、同『下流社会』のための調査で、女性ファッション誌のマップを創りました。それはここでも発表しましたが↓、その続編ということです。http://d.hatena.ne.jp/TRiCKFiSH/20041224/p2 今回の図は、先日発売された南田勝也・辻泉編『文化社会学の視座』(ミネルヴァ書房)に私が寄せた論文「差異化コミュニケーションはどこへ向かうのか」のために創ったものです。 4年前と違い、今回は網羅している世代の中心に雑誌のタイトル名を置きました。たとえば『CanCam』は「コンサバ→専業主婦」の23歳あたりに置かれていますが、実際の読者は10代後半から20代後半まで幅広いです。・追記:「『装苑』や『SPUR』や『

  • 『ザ・マジックアワー』監督:三谷幸喜(2008年) - TRiCK FiSH blog.

    公式HP:http://www.magic-hour.jp/index.html 試写で観た。公開は今月7日から。 2年前、『THE 有頂天ホテル』で大ヒットを飛ばした三谷幸喜の監督4作目。これは、間違いなく彼の最高傑作と言える出来。完璧に近い。 主演は佐藤浩市、他に夫木聡、深津絵里、西田敏行、綾瀬はるかなど。ちょい役で唐沢寿明や香取慎吾が出ているなど、かなり豪華な配役だ。 舞台はヨーロッパを思わせる町並みの守加護(すかご)。マフィアの備後(夫木聡)は、ボス(西田敏行)の女・マリ(深津絵里)に手を出してしまい、命と引き替えに伝説の殺し屋“デラ富樫”を探し出せと命令される。そこで備後は、映画の撮影だと嘘をついて売れない俳優・村田(佐藤浩市)を雇い、ボスを騙すことにする。ゴムの拳銃を持ってアドリブで大立ち回りを演じた村田は、すっかりボスに気に入られてしまう。最初の嘘がどんどん誤解を重ねて展

    shibudqn
    shibudqn 2008/06/05
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