敦賀温泉病院の「お出かけ専門隊」。この日は玉井院長(右)も一緒にグループホームを訪問した=福井県敦賀市のグループホーム「みつばち」 初期から本人・家族に伴走 重度化防ぐ 認知症の人が精神科病院に長期入院する介護モデルを見直し、専門職や医師が早期からの家庭訪問で本人と家族をサポートしようと、厚生労働省は新しい認知症施策の報告書をまとめた。先進事例の一つ、福井県敦賀市の敦賀温泉病院は昨年、訪問チーム「お出かけ専門隊」を発足させ、早期受診を促している。(佐藤好美) ◇ 敦賀温泉病院で診察を終えた高齢女性は、玉井顯(あきら)院長をのぞき込むように聞いた。 「先生、もう見込みがないほど悪いんやろか」 玉井院長は親指と人さし指を近づけて言った。「大丈夫、心配することない。ちょっとだけ物忘れをする。ほんのちょっとだけね」 親族には、女性がアルツハイマー型認知症であ