2008年から始まった「カドカワ銀のさじ」シリーズで屈指の人気を誇るファンタジー作品が完結した。 累計100万部突破のその魅力とは? 深緑の山並みが果てしなく続く紀伊半島の南部は、古来「熊野」と呼ばれ、神仏が坐す聖地として尊ばれてきた。 鈴原泉水子は、そんな熊野の奥も奥、路線バスすら通らない土地に建つ玉倉神社で育てられた一人娘。両親の仕事の都合で、赤ん坊の頃から宮司である祖父の元で、家と学校を往復するだけの生活を送ってきた。だが、中学卒業後の進路を親たちが勝手に決めていたことを知り、はじめて反抗心が芽生え……。 『RDG』の物語は、成長期の少女なら誰でも経験するちょっとした心の変化から始まる。 超奥手、極度の人見知りで、華のないタイプ。本来なら静かで平凡な一生を送ってしかるべき泉水子だが、宿命がそれを許さなかった。生まれ落ちた瞬間から、「世界遺産」となるべき存在として、固く守られていたので
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