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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (11)

  • ミスが全くない仕事を目標にすると、ミスが報告されなくなる『測りすぎ』

    たとえば天下りマネージャーがやってきて、今度のプロジェクトでバグを撲滅すると言い出す。 そのため、バグを出したプログラマやベンダーはペナルティを課すと宣言する。そして、バグ管理簿を毎週チェックし始める。 すると、期待通りバグは出てこなくなる。代わりに「インシデント管理簿」が作成され、そこで不具合の解析や改修調整をするようになる。「バグ管理簿」に記載されるのは、ドキュメントの誤字脱字など無害なものになる。天下りの馬鹿マネージャーに出て行ってもらうまで。 天下りマネージャーが馬鹿なのは、なぜバグを管理するかを理解していないからだ。 なぜバグを管理するかというと、テストが想定通り進んでいて、品質を担保されているか測るためだ。沢山テストされてるならバグは出やすいし、熟知しているプログラマならバグは出にくい(反対に、テスト項目は消化しているのに、バグが出ないと、テストの品質を疑ってみる)。バグの出具

    ミスが全くない仕事を目標にすると、ミスが報告されなくなる『測りすぎ』
  • リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた

    「女の子の匂い」をご存じだろうか? 「臭い」ではなく「匂い」である。 よく言われる、せっけんの香りではない。デオドラントや柔軟剤、コンディショナー、乳液、ハンドクリーム、化粧水、オーラルケア、ファンデなどの香料、フレグランスでもない。それらは、女の子から漂ってくる様々な匂いを構成する要素にすぎない。 そうした、外づけの化合物ではなく、女の子自身から発する匂いだ。ココナッツミルクや白桃を想起させる、何とも言えない、「匂い」というより、「あの感じ」といえば分かるだろうか。心地よく、はっとする感じ、あるいは身体的にオンになる感覚である。 これは、わたしの変態性が生み出した妄想にすぎぬ、と考えていた。しかし、優れた先人たちの研鑽と研究の末、「女の子のいい匂い」とは、以下の物質であることが判明している。 ・高級脂肪酸と安息香酸エストラジオール ・ラクトンC10、C11 では、女の子の匂いを再現するこ

    リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた
    shibuyan730
    shibuyan730 2019/05/23
    ブクマ伸びすぎて草
  • 老人栄えて国滅ぶ『シルバー民主主義の政治経済学』

    この国は老人に滅ぼされる。そう思っていたが、問題はもっと根深いようだ。マスコミが偏向報道するように、わたしのタイムラインは偏っていることに自覚的にならないと。単に考えさせられるだけでなく、次に(わたしが)選ぶべき方向も見えてくる一冊。 全国から吸い上げられた税金は、高齢者に注ぎ込まれる。年金世代は現役世代の犠牲の上にあぐらをかき、既得権を貪り、財政改革の邪魔をする。「年金」という聖域に手をつけようものなら、マスコミが急先鋒となって蜂の巣をつついたように騒ぎ出す。「このままじゃやっていけない」「死ねというのか」と叫ぶ老人を巣鴨あたりでインタビューし、大々的にキャンペーンを張る。 いっぽう、コストカットのあおりを受け、手取りは目減りし、不安定な雇用に苦労する現役世代の声は捨てられる。なぜなら、逃げ切る気まんまんの高齢者の方が多数だから。民主主義は多数決。さまざまな意見を最終的に決めるのは、「声

    老人栄えて国滅ぶ『シルバー民主主義の政治経済学』
  • 『世界システム論講義』はスゴ本

    「なぜ世界がこうなっているのか?」への、説得力ある議論が展開される。薄いのに濃いスゴ。 世界史やっててゾクゾクするのは、うすうす感じていたアイディアが、明確な議論として成立しており、さらにそこから歴史を再物語る観点を引き出したとき。「こんなことを考えるの私ぐらいだろう」と思って黙ってた仮説が、実は支配的な歴史観をひっくり返す鍵であることを知った瞬間、知的興奮はMAXになる。 たとえば、「先進国(developed)」と「途上国(developing)」という語に、ずっと違和感があった。「後進国」は差別的だからやめましょうという圧力よりも、この用語そのものが孕む欺瞞を感じていた。 なぜなら、この語の背景として、近代化・工業化が進むというプロセスがあるから。なんなら、進化のメタファーを使ってもいい。産業構造が一次から高次に転換するとか、封建社会から資主義社会に"進化"するといった欧米の経済

    『世界システム論講義』はスゴ本
  • 鬱 に 効 く 映 画 『シネマ・セラピー』

    ダウナーなときは寝るに限る。三時に覚めたらどうするか? アルコールは感情の増幅剤だから控える。集中しない(したくない)ので、はお守り代わり。図鑑や手記など、断片で読めるものにして、うっかり“何かを思い出す”ことのないよう、小説は避ける。岩波青か、講談社学術文庫がいい、『自省録』『ガリア戦記』『言志四録』が鉄板。考えないための読書。 ところが書は、映画を提案する。精神科医が選んだ、適切な映画を観ることで、「死にたい」気持ちがほぐれてくるという。当か?意識を向ける必要がある映画は、ダウナーなときには向いていないと思っていたのだが……著者によると、自殺を客観的に捉え、遺される人を考えたりする上で新たな視点を提示してくれるのが、これらの映画なのだと。 著者は精神科医。自殺の実態や危険因子を解説したあと、自殺にまで追い詰められた人の心理をレポートする。さらに、「自殺したい」と打ち明けられたらど

    鬱 に 効 く 映 画 『シネマ・セラピー』
  • 3週間でやりなおす「高校数学の教科書」

    習うより慣れろ、学ぶより真似ろ。 やりなおし数学シリーズ。いつもと違うアタマの部分をカッカさせながら、3週間で一気通貫したぞ。もとは小飼弾さんへの質問「数学をやりなおす最適のテキストは?」から始まる。打てば響くように、吉田武「オイラーの贈物」が返ってくる……が、これには幾度も挫折しているので、「も少し入りやすいものを」リクエストしたら、これになった。 書の特徴は、「つながり」。アラカルト方式を改め、高校数学の体系を一化しているという。なるほど、上巻の「数と式」の和と差の積の形に半ば強引に持ち込むテクは、下巻の積分の展開でガンガン使うし、図形と関数はベクトルと行列の基礎訓練だったことに気づかされる。ベクトルが行列に、行列が確率行列に、さらに行列がθの回転運動や相似変換に「つながっている」ことが「分かった」とき、目の前がばばばーーーっと広がり、強制覚醒させられる。 上巻 1章 数と式 2章

    3週間でやりなおす「高校数学の教科書」
  • ハタチのわたしに読ませたい「うらおもて人生録」

    憎悪と劣等感のカタマリだった、昔のわたしに読ませたい。 雀聖・阿佐田哲也が、人生のセオリーを語りかける。裏街道で修羅場をくぐった人だけに、どんな厳しい箴言があるやと恐る恐る読むのだが、あたたかい、やさしいまなざしに満ちている。 たとえば、ばくち打ちを例に挙げて、「勝てばいい、これは下郎の生き方なんだな」と断ずる。自分だって博徒だったのに、と当然のごとくツッコミ入れたくなるのだが、ここは逆に考えてみる。博徒だったからこそ、鉄火場で生きのびたからこそ、そう言い切れるんだ。そして、「勝てばいい」下郎のロジックを推し進めた場合、どんな運命が待っているか、淡々と伝えてくれる。目先の勝ち負けに踊らされる下郎だった、20代の"わたし"に読ませたい。 あるいは、優れた企画なのに通らないといって嘆く友人に、「それは貴方が、ただで説得しようとするからじゃないか」とアドバイスする。この「ただで」が肝心で、企画の

    ハタチのわたしに読ませたい「うらおもて人生録」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: だめな国は何をやってもだめ「最底辺の10億人」

    「だめな奴は何をやってもだめ」という箴言は、国にもあてはまるのかもしれない。 すなわち、「だめな国は何をやってもだめ」。国家まるごと腐りきっており、大統領から警官まで賄賂と蓄財に勤しむ。国家経営は破綻し、令状のない逮捕、裁判のない拘留、嘘選挙がまかりとおる。行政機関は国家資を強奪するために存在し、軍部の武器は国内に向けられている。 まず、資が流出し、次に教育のある労働力が逃げ出す。大統領命令でお札を刷りまくり、「超」のつくハイパーインフレになる。援助は指導者の蓄財にまわされ、海外の銀行に貯め込まれる。社会資として回転しないから、経済の発展もない(アフリカ最貧国の指導者の多くは、世界でも超富裕階級に属している)。 そして、外からの非難に対し、大統領は「レイシスト」だと反撃する。国家の荒廃は「元」宗主国の陰謀だと断じ、仮想敵をつくりだすことによって自分への不満をすりかえる。結果、部族間の

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  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊

    毎年この時期になると、「東大教師が新入生にオススメするベスト100」という企画で紹介してきたが、飽きた。 ほとんど変わり映えしないリストにも飽きたし、毎年「ベスト1はカラマーゾフ!」とハヤすのも飽きた。カラ兄が最高であることはさんざん宣伝してきたから、皆さんご承知だろう(異論・反論大歓迎、これを超えるものがあるならね)。 だから、今回はスコープを広げてみる。 ■ この企画の趣旨 東京大学に限らず、新入生を迎えるにあたって、センセイたちは思うところがある(はずだ)。ゼミにくる前に、せめてこれぐらいは読んでおいてもらいたいと望んだり、若かりしころハマったで自分語りをしてみたり。そうした願望を吸い上げているところもいくつか見つけた。以下のとおり。 リスト1 「北海道大学教員による新入生への推薦図書」 リスト2 「京都大学新入生に勧める50冊の」 リスト3 「広島大学新入生に薦める101冊」

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    shibuyan730
    shibuyan730 2008/04/09
    最近読書欲増加中です
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 学力低下の本当の原因

    教育の荒廃が叫ばれている。 学校、保護者、子ども自身、そしてそれらを取り巻く環境――官僚、政治家、教育委員会、地域社会が制度疲労に陥っている。教育亡国論が喧しくとも思考停止と非難合戦、手をこまねいているばかり。教育現場は完全に活力を失っており、責任転嫁の応酬に明け暮れている。 ■ 教育改革の担当者は誰か? 象徴的な例を、いくつか挙げよう。ひとつめは、NHK世論調査(※1)だ。「教育改革の担当者は誰か?」という問いかけに対し、こんな結果が得られた。 注目すべきは、教育のまさに現場にいるはずの「教師」と答えたのが、たった8%ということ。あまつさえ、「父母」と答えたのがわずか2%は情けない。いわゆる「お上」任せである。「教育」は政争の具に貶められ、人質化している。そして、いまどきの教師、両親は、当事者意識を完全に欠如しており、犠牲になるのは子どもたちだ。 ■ 4脚のニワトリ、絵の具でできる「き

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  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「最近の若者は本を読まない」本当の理由

    最近の若者は、を読まない。ネットやケータイに毒されており、まともな文章を読む能力に劣るのが、イマドキの若者だそうな。そのため、文を書く能力も、相手の話を理解する能力も、ひいてはコミュニケーションそのものが著しく劣っている。このままでは日が亡ぶ ―― って、ホント? しかもこの説、かなり昔からもてはやされている。「最近の若者は…」といいだすオヤヂ連中が「最近の若者」だったころも、この言説はマスゴミ紙面の埋め草となっていた。 昔から語り継がれるこの命題について、調べてみた。 結論からいうと真逆で、最近の若者ほどを読んでる。これは二重の意味でYESといえる。つまり、昔に比べて今の方がは読まれている。さらに、オヤジ連中よりもむしろ、若者世代の方がを読んでいる。 その根拠は、読書世論調査。毎日新聞社が1947年から行っている調査で、全国の16歳以上の男女を対象とした「読書世論調査」と、小・

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