「右手にチェーンソー、左手にMacBookを持って森に入るんですよ(笑)」 いや待って、笑顔でサラッと言ってるけど、それはどういう状況? 完全に、私の想像の域を超えている。そう、彼女は広告会社で働き、休日に熱海の森林保全団体「熱海キコリーズ」の代表として木こりをしていたのだ。 彼女の名前は能勢友歌(のせゆうか)さん、36歳。平日は東京タワーを望めるオフィスで働きながら、休日は熱海で山と海に囲まれた生活をおくっている。熱海で何をしているか、答えは木こりだった。 5年前から熱海に暮らしはじめた彼女は、最初から木こりをやろうと思っていたわけではない。最初は旦那さんが東京から近く、気候もいい熱海を検討しはじめ、彼女自身も、気持ちを切り替える環境を求めていたこともあり、二拠点生活をはじめることになる。 「熱海に住んでみて感動したのは、感覚が研ぎ澄まされたこと。情報過多な東京にいるから得られるものが多