フリージャーナリストの安田純平さんが、開放されて帰国したが、予想通り「自己責任論」がネットを賑わせている。 古い話になるが、1991年に米国を中心とした多国籍軍が、クウェートに侵攻したイラクに対して空爆を始めた湾岸戦争開戦の時、私は朝日新聞社の記者として連日、社会面の紙面づくりに携わっていた。当時、イラクに滞在していたはずの記者たちは、全員が周辺のヨルダンやサウジアラビアに引き上げていた。会社の方針だ。日本のメディアのほとんどが同じような対応だったと記憶している。残っていたのは米国のCNNやABCなど4大テレビネットワークで、なかには会社の指示に背いて現地に残ることを決めた取材チームもある。CNNは「報道の義務だ」として残るよう会社から命じられた(91年1月17日付、朝日新聞朝刊)という。 フリーランスの取材がないと... 開戦時の多国籍軍の攻撃を報じたCNNの映像は有名だ。街がミサイルで