木の繊維を髪の毛の数万分の一程度に細くしたバイオマス素材を蓄電池に活用しようと、日本製紙と東北大学が開発を始めた。充電時間の短縮や安全性の向上に加え、廃棄の簡素化が期待できる。二〇二五年大阪・関西万博に製品を出展し、三〇年ごろの実用化を目指している。 蓄電池の材料に使うのは、紙の原料である木材パルプをナノメートル(ナノは十億分の一)単位にほぐした「セルロースナノファイバー(CNF)」。再生可能で軽量といった特性を生かしておむつから化粧品、自動車など幅広い用途があり、製紙業界がこぞって手掛けている。日本製紙と東北大はCNFの表面に凹凸を付けると蓄電できることを確認した。