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ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (8)

  • 本を出します 『マンガの「超」リアリズム』 - 紙屋研究所

    4月に花伝社から『マンガの「超」リアリズム』というを出します。マンガ評論の書籍は2冊目になります。連載当時から反響があって、連載をしていた雑誌の編集の方から書籍化を強くすすめていただき、花伝社での出版の運びとなりました。 これは教育誌「人間と教育」に約5年間連載していた「マンガばっかり読んでちゃいけません!」がベースです。 この連載をまとめたものを2016年に文学フリマに同人誌として出させてもらいましたが、さらに全体に加筆・補正を加え、なおかつ「ユリイカ」「星灯」などに書いた文章をいれました。 主な目次は次の通りです。 大人と幼児が同時に楽しめるマンガはあるか? いわさきちひろはどう批判されたか 「ダメ人間マンガ」はなぜ増えているのか? 「スポ根」マンガは死んだのか? 「ヤンキーマンガ」と「an・an」の接点は? 「気持ち悪い」「グロイ」という『はだしのゲン』の読み方の強さ 『ONE P

    本を出します 『マンガの「超」リアリズム』 - 紙屋研究所
  • 吉田裕『日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実』 - 紙屋研究所

    兵犠牲者は戦争末期の1944年以降の1年間に9割 『日軍兵士』というタイトルだけ聞くと、あるいはサブタイトルの「アジア・太平洋戦争の現実」までを聞いても「ふーん…」としか思えない。 このにどこに新味があるのか。 メインタイトルで損をしていると思うが、このは3つの問題意識で書かれている。 軍事史としての戦争史の再点検(戦争体験世代の研究者はあまり関心を持たず、しばらく防衛庁防衛研修所の独壇場だった)。 兵士の目線での日軍兵士への身体などへの負荷。 兵士に負荷をかけた根源としての旧軍の特性(思想・体質・構造) である。 とりわけ2点目の「兵士の目線での兵士への身体などへの負荷」という点は、専門家にはすでに知られたことであるかもしれないが、シロウトであるぼくには新鮮な事実がいくつもあった。 このの起点となっているのは、アジア・太平洋戦争における310万人という日国民の犠牲者という

    吉田裕『日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実』 - 紙屋研究所
    shidehira
    shidehira 2018/02/02
    “アジア・太平洋戦争における310万人という日本国民の犠牲者というのは9割が1944年以降に生じたのではないかという「新事実」”
  • 新井孝重『戦争の日本史7 蒙古襲来』 - 紙屋研究所

    住民有志のガイド役として元寇防塁を案内し、福岡市博物館の展示で、その人たちになぜか元寇について説明するハメになった。シロウトのにわか教師風。 そのとき、 「元と高麗の連合軍に攻められたあと、高麗に逆に攻めていく計画も立てるんですけど、船の技術がなくてダメになったんです」 と説明した。 すると参加者から、 「あれ? 遣唐使とか遣隋使とか出してましたよね?」 という疑問が出た。当然である。ぼくもそう思ったもの。 「古代にその技術はあったんですけど、廃れてしまうんです」 と説明したのだが、「テキトーな説明をしてツッコまれたので、テキトーな返事をした」という感じになってしまった。ち、ちがうんだ。 高麗外征を計画していたのはほぼ定説だし、福岡市のガイドにも書いてあるので、そういっていいのだと思うけど、船の技術がなかったからという理由の方は、学者の説でしかないので、まあ、「テキトー」っちゃあ「テキトー

    新井孝重『戦争の日本史7 蒙古襲来』 - 紙屋研究所
  • 博多駅前陥没事故について(および福岡市政について) - 紙屋研究所

    博多駅前陥没事故で復旧が早かったことに関連して、びっくりしたことがある。 復旧の早さそのものではない。 高島宗一郎・福岡市長に対してまで賞賛の声が上がっているのを聞いてびっくりしたのだ。 異常という他ないので、一言書いておきたい。 事故の最高責任者に「賞賛」? 具体的な原因究明はこれからであるにせよ、すでに市自身は直接の原因が市の地下鉄(七隈線延伸)工事であることを認めている。いわば市の公共工事が原因で起きた事故であり、その責任は市長自身にあることは明白だからだ。 事故の最高責任者に「賞賛」を浴びせるという、その意味がわからない。 繰り返される「陥没」と国の「警告」 しかも福岡市が起こした地下鉄工事をめぐる道路陥没事故は初めてではない。 まず2000年6月20日には、中央区薬院で今回ほどではないが大規模な道路陥没を起こしている。 陥没三たび生きぬ教訓 福岡市、事前調査で見抜けず 岩盤もろく

    博多駅前陥没事故について(および福岡市政について) - 紙屋研究所
    shidehira
    shidehira 2016/11/21
    これって自信喪失の裏返しの「日本△」の亜種なのよねん。
  • 待機者にもなれません - 紙屋研究所

    ぼくの娘はなぜ「待機児童」になれなかったか きょう(2013年4月3日付)の朝日新聞に「待機児童 数え方変だよね」という記事があった。 朝日新聞デジタル:(くらし時々?)待機児童、数え方変だよね 育休延長も認可外利用も含まず - ニュース 保育園の待機児童というのは、保育園に入れない子どものことだろう、という人がいると思うが、そんなに単純な話ではないのだ。いや、単純にしてほしいんだけどさ。 たとえば、ぼくは子どもが生まれて3カ月たって、近くの認可保育園(カンタンにいうと国の基準に合ったと認められた保育園)に入れないか探したのだが、どこにも空きがなかった。それで育児休暇を8カ月もとるハメになったのだが、そのときぼくの娘は「待機児童」だったのか。え? 待機児童だったに決まってるって? ブッブー。答は「待機児童ではなかった」。 なぜなら、「空いたら入れてほしい」というふうに申し込んでいなかったか

    待機者にもなれません - 紙屋研究所
  • クロポトキン『相互扶助論』、平居謙『「ワンピース」に生きる力を学ぼう!』 - 紙屋研究所

    平居謙『「ワンピース」に生きる力を学ぼう!』(データハウス)は、としてはなかなかにひどい出来だと思うが、マンガ『ONE PIECE』をどうとらえるかということを示唆したという一点において、ぼくにとっては非常に刺激的な一冊だった。「生きる力」をテーゼ的というかドグマ的にバラバラにわけて解説した第一章・第二章は、ほとんど役に立たなかったのだが、 第三章の「『相互扶助』から『意識的疾走へ』」は、叙述の乱暴さは別として、クロポトキン『相互扶助論』と関連づけたという点で、刺激に満ちていた。 「クローズアップ現代」の『ONE PIECE』論への違和感 平居の同書にも書いてあるが、『ONE PIECE』のヒットをNHK「クローズアップ現代」は特集し(2011年2月9日放映)、格差社会・「生きづらさ」を抱えた社会のなかで個人がバラバラにされ、絆・仲間が失われていることと関連づけて語った。 馬場伸彦(甲南

    クロポトキン『相互扶助論』、平居謙『「ワンピース」に生きる力を学ぼう!』 - 紙屋研究所
  • 原発と自動車 - 紙屋研究所

    原発に由来する放射線の影響を「小さく」感じさせる工夫は、昔からいろいろと考案されてきた。 自然放射線や医療被曝を引き立て役にもち出して他の被曝を「とるに足りない」と印象づける手法は、放射線の影響をできるだけ少なくしようという前向きの姿勢とは言い難いものです。私はこうした自己弁護的な姿勢を、「悪しき相対性理論」と呼んでいます。 (安斎育郎『原発 そこが知りたい 増補版』P.11) 最近よく聞かれるのは、自動車事故やがんの総数との比較だろうか。 国立がん研究センターがん対策情報センターの祖父江友孝がん情報・統計部長によると、100ミリシーベルトに短期間に被ばくした場合の発がんリスクはそうでない時の1・06倍。短期間に浴びると体内での遺伝子の修復が間に合わないが、同量を長期間かけて浴びた場合は修復機能が働き、リスクはさらに低くなるという。 もちろん危険性がゼロではない以上、被ばく量はできるだけ少

    原発と自動車 - 紙屋研究所
  • 「ザ・スニーカー」に『百日紅』のレビューを書きました - 紙屋研究所

    ライトノベル誌「ザ・スニーカー」2011年4月号に杉浦日向子の『百日紅』のレビューを書きました。 すでに報道されているのでご存知とは思いますが、「ザ・スニーカー」が休刊となります。というわけで、ぼくの連載も最後となります。 最後なので、「新作」にはこだわらず、ぼくの「オールタイムベスト」である同作をとりあげさせてもらいましたし、ついでに、角川の「反・都青少年条例改定」の態度に敬意を表して、そのことについても書かせてもらいました。ただ、単純な反対ではなく、虚構を扱うことのリスクということに触れました。 「スニーカー」でのレビューは、5年になりました。 よくも書きたい放題書かせてくれたものです。編集部に感謝いたします。また、根気よくつきあっていただいた3人の担当の方にもこの場を借りてお礼を申し上げます。 この連載のなかで、Aという作品を、他の有名漫画家のマンガBと比較して論じるというのをやった

    「ザ・スニーカー」に『百日紅』のレビューを書きました - 紙屋研究所
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