パート、アルバイトでは、フルタイムで働いても過半の人の年収が200万円未満だ hyejin kang/iStock. <定められている最低賃金では「普通の暮らし」をすることさえおぼつかない> 雇用労働が普及した現在では、労働者は働いた対価として賃金を得る。野放しでは雇い主が賃金を思いのままに決めてしまうので、最低限の生活に足る最低賃金が定められている。2019年度の最低賃金は、最も高い東京で時給1013円、最低は790円(15県)となっている。 時給790円の場合、1日8時間労働の日給は6320円で、年間250日働くと年収は158万円となる。これが最低限の暮らしができる収入かどうかは怪しい。東京の最低賃金だと年収は203万円だが、都市部の物価の高さを考えると心もとない。 これは最低賃金による見積もりだが、普通に働いても普通の生活に足る収入が得られない人は数多くいる。週35~45時間働く労働
雇用労働が普及した現在では、労働者は働いた対価として賃金を得る。野放しでは雇い主が賃金を思いのままに決めてしまうので、最低限の生活に足る最低賃金が定められている。2019年度の最低賃金は、最も高い東京で時給1013円、最低は790円(15県)となっている。 フルタイム労働者の年収分布グラフを見る 時給790円の場合、1日8時間労働の日給は6320円で、年間250日働くと年収は158万円となる。これが最低限の暮らしができる収入かどうかは怪しい。東京の最低賃金だと年収は203万円だが、都市部の物価の高さを考えると心もとない。 これは最低賃金による見積もりだが、普通に働いても普通の生活に足る収入が得られない人は数多くいる。週35~45時間働く労働者を抽出し、年間所得(税引き前)の分布を見ると<図1>のようになる。正社員、派遣社員、パート、アルバイト、フリーランスに分けて出した。フリーランスとは、
最近になって、政府が重い腰を上げて取り組み始めたものに「就職氷河期世代」の問題がある。「ロストジェネレーション世代」とも言われるが、現在35~44歳のアラフォー世代の貧困問題と言っていい。 もっと正確に言うと、1993~2004年に学校卒業期を迎えた人である。バブル崩壊後の雇用環境の厳しい時代を余儀なくされ、高校や大学を卒業した後に正社員になれず、非正規社員やフリーターとして、その後の人生を余儀なくされた人が多かった世代の問題だ。 厚生労働省の支援プログラムは功をなすのか この就職氷河期世代を対象とした支援プログラムが、3年間の限定付きではあるが厚生労働省の集中支援プログラムとしてスタートしている。支援対象は多岐にわたり、少なくとも150万人程度が対象者。3年間の取り組みによって、同世代の正規雇用者を30万人増やすことを目指している。 もっとも、わずか3年の支援プログラムで就職氷河期世代が
7月31日、中央最低賃金審議会の小委員会は、2019年度の最低賃金について全国平均の時給を27円引き上げ、901円とする目安をまとめた。東京と神奈川が1000円を超えるとともに、地域間格差は依然として224円と大きな開きがある。 この改定に合わせて、日本テレビ系の「NEWS ZERO」で最低賃金特集が組まれ、自販機業界の大蔵屋商事の事例が取り上げられた。 番組では同社の石井さん(仮名、33歳、男性)が、平均月間労働時間300時間(月残業時間約120時間)、手取り23万で、時給換算で最低賃金ちょうどかそれを下回る収入しかない状況が紹介された。 番組で紹介された石井さんの生活費 石井さんは、食費を削りながら生活を維持していることなど生活の困難について話す様子も放映された。 この番組放映直後から、「手取り23万」がキーワードとなり、23万は低いのか高いのかを巡り、ツイッター上で大きな議論となった
<手取り14万円> 「その日暮らしで先が見えない。不安しかない」。5年前に離婚し、女手一つで小学2年の長男(7)を育てる盛岡市の女性派遣社員(39)がため息をついた。 フルタイムで働いても手取りは月14万円。離婚直後に正社員として就職したが、夜遅くまで保育所に預けていた子どもが精神的に不安定になり、1年で退職した。以後、派遣で会社を転々としている。 盛岡市と岩手県立大が2016年に市内のシングルマザーを対象に実施した調査によると、働く母親のうち正社員の割合は42.8%にとどまった。二つ以上の仕事を掛け持ちしている人も4.9%。全体の半数超が午後6時以降も働いている。 過去1年間に必要な食材を買えなかった割合は47.4%で、病気やけががあっても病院を受診しなかった割合は23.2%だった。 かつてシングルマザーだった女性(35)は「盛岡は東京、仙台などの大都市に比べて労働環境が整っておらず、郡
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く