室町時代の明応東海地震(1498年)で、静岡県沼津市では津波が約36メートルまで遡上(そじょう)した可能性があることが、東京大学地震研究所の都司嘉宣准教授らによる調査で明らかになった。 新潟市で開催中の歴史地震研究会で17日、発表した。 国の地震調査研究推進本部によると、明応東海地震はマグニチュード8・2~8・4。静岡地方の津波による死者は約2万6000人と推測されている。 都司准教授らは、同地震の津波でヒラメがあがったという伝承が、沼津市戸田地区の平目平に残っていることに着目。現地で測量を行い、海抜36・4メートルまで津波がさかのぼったと考えられると結論づけた。 静岡県の津波対策はこれまで、1854年の安政東海地震をもとに行われてきたが、都司准教授は「明応の津波は、安政の3倍程度高い。1000年に1度の津波でも人命を守るには、明応の津波を考慮して避難所を設定すべきだ」と、見直しを求めてい