最近死刑に関する議論を目にした。死刑、すなわち一定の犯罪に対して罪人の生命を奪う刑罰が存在するメリットはなんだろうか。以下の三つぐらいしか思いつかない。 一種の仕返しによる被害者の喜び(追記:直接の被害者死亡している場合が多いが、ここでは遺族など間接的な「被害者」を含める) 再犯の防止 死刑が適用される犯罪を行うことの利得低下に伴なう抑止効果 まず1だが、仕返しが刑罰の正当な根拠にならないだろう。 加害者を殺害しても被害が回復するわけではない。 加害者の殺害自体に喜びを感じる人がいるとしても誰もがそうではない。 一般的に仕返しは道徳的に正当な行為とみなされてはいない。 加害者の殺害が仕返しとして最も有効とは言えない(拷問でもしたほうが苦痛ではないか)。 刑法の他の部分が仕返しを目的としてできているようには思われない。 被害者の効用を高めることが目的なら金銭補償なども可能。 2は矯正の見込み