深澤直人さんの考えるプロダクトデザインの未来は二つの方向。一つは壁の中や建築の中などの空間に取り込まれていく方向性。もう一つは人間の身体の中に取り込まれていく方向性。 2006年の晩秋に深澤直人さんとKDDIデザイニング・スタジオで対談を行った。その中で、プロダクトデザインの未来に対して深澤さんから興味深い話が出た。こういう話だ、僕のプロダクトデザインに対する考え方から言うと、ある程度、今空中に浮いている、中間領域にあるものは、2つの方向に分かれると思います。1つは壁の中や建築の中などの空間に取り込まれていく方向性。もう1つは人間の身体の中に取り込まれていく方向性です。これは紛れもない事実で、逆らうことはできません。ただし、しばらくはケータイに取り込まれていくだろう。 昔の大きなブラウン管のテレビは、液晶やプラズマテレビとしてどんどん薄くなって壁の方に近づき、扇風機という空間に露出していた