ジャマイカ社会の暗部を描いた衝撃的なルポ、『ボーン・フィ・デッド』が、静かな話題を呼んでいる。 この日本語版、森本幸代という一人のレゲエ好きの女性と、著者であるL.ガンストとの直接的な交流によって生まれたもので、一般の書店ルートでは買うことのできないプライベート・ブックである。不振が続く日本の出版業界にあって、この本もその波にもまれた一冊だったが、彼女が自費を投じて刊行してからというもの、ウワサが噂を呼び各方面から賞賛を得るようになった。 Beats21では、発行者である森本さんに依頼し、この日本語版がいかにして誕生したかを原稿にしてもらった。 『ボーン・フィ・デッド』の発売から1ヶ月が経ちました。まだまだ落ち着かない日々ですが、こんなにも一冊の本をめぐって毎日変化があるのは、とてもうれしいことです。 もともと本を読む習慣もなかった自分が、あるレコード屋店主に、「知り合いの出した本」と言っ