年をとった女性に対して“劣化”だとか“BBA”だとかいう言葉がぶつけられる様を見てしまった度、私は吐き気と、怒りを覚える。そしてそんな言葉に傷つかないよう自分から“BBA”と言う女性を見ると、やりきれなくて涙が出そうになる。日本は特にそうだと思うが、しかし社会全体が女性が老いることについてかなり辛辣だ。長く映画を追っていると、中年を迎えた女優には役がなくなり、もしあっても主人公の妻だとか主人公の母だとかいう役しかもらえないとそんなニュースをよく目にする。そういう社会で女性が年をとることの不安と恐怖は計り知れない、男性はそれについて知らないというか誰一人考える気すらないのではないかという絶望感に襲われることもある。だからこそ今回紹介したいのは、そんな社会を痛烈に批判するSF映画「アドバンテージ〜母がくれたもの」についてだ。 近未来、世界は加速度的な発展を遂げながらも、その余りの速さに経済は停
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