焦点となっていた豚肉は、安い輸入豚肉ほど関税率が高くなる差額関税制度は維持するが、最も安い価格帯の輸入豚肉にかかる関税を15年程度かけて1キロ当たり482円から50円に段階的に引き下げる。牛肉関税は10年程度かけて現在の38・5%から9%に引き下げる。日本が聖域と位置づけてきた牛・豚肉やコメなど農産品の「重要5項目」の関税はすべて残った。複数の政府筋が2日、明らかにした。 4月23~25日のオバマ米大統領来日に合わせ、甘利TPP相と米通商代表部(USTR)のフロマン代表による協議などで一致した。 日米両政府は、大統領来日時に発表した共同声明で、TPPを巡る日米協議に関し、「重要な課題について前進する道筋を特定した」との表現にとどめ、合意内容は明らかにしていない。しかし、農産品5項目すべてと自動車の主要な論点について、日米が合意していたことが裏付けられた。