私達は、子供の頃から、ポイント主義で飼いならされていた。ポイントといっても、参考書に書いてある「試験に出る重要なポイント」のことである。すべてが、より簡単な方法、より楽な方法を求め、できるだけ手を抜いてきた。僕は、「メディアの望んだ世界」で、森岡正博氏の「無痛文明論」の紹介記事から、 「家畜は環境を快適にコントロールされ、毎日食料を与えられ、ひたすら食べて眠ることをつづけながら生きています。その姿は、空調の効いた快適なオフィスで日々決まりきった仕事をする現代人の姿によく似ています。苦痛を避け、快適に暮らすことを目標に進んできた現代文明は、じつは人間を家畜化するだけなのではないか? 我々は安全と快適を得る代償に、生命の輝きを奪われてしまったのではないか?」(森岡正博著「無痛文明論」トランスビュー社)の紹介記事より という言葉を引用した。たとえば、サブプライムローンに端を発した金融危機、本来は