『たまこラブストーリー』は不思議な映画だ。物語の着地点を探る作品ではなく、「山田尚子監督の映画観」を体験するものなんだなと思った。まるでたまこともち蔵の恋の行方をカメラマン・山田尚子が撮りためていたかのよう。豊富なレンズバリエーションとフィルターの数々は、さながら実写の撮影監督。デラ・モチマッヅィが本編にほとんど登場しないのも頷ける。アニメ的なリアクション芸(オバケ・ノバシ・ツブシ)はあれど、デラの放つ「アニメアニメした存在感」を今回用意されたレンズで撮ってしまうと、おそらく“崩れて”しまうだろう。たとえばもち蔵を追いかけ、走るたまこの側にデラが飛んでいたら、レンズ選択の基準は「アニメ」になる。デラの出番を同時上映の『南の島のデラちゃん』にまとめたのはそういうことだ。アニメなのに、カメラ意識や演出は実写的。でもちゃんとアニメで映画になっている。それってどういうこと? 「不思議な映画」と書い
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