オバマ米大統領(当時)が、シリアのアサド政権による化学兵器の使用を「レッドライン(越えてはならない一線)」として警告したにもかかわらず、結局、その使用が確認されても実力行使を見送ってから10年が過ぎた。だが、その約束は次の大統領によって果たされた。トランプ前大統領が選出された時、彼が人道的な観点からシリア空軍基地を巡航ミサイルで攻撃するなど誰が想像しただろうか――。筆者がこんな問いかけをし
オバマ米大統領(当時)が、シリアのアサド政権による化学兵器の使用を「レッドライン(越えてはならない一線)」として警告したにもかかわらず、結局、その使用が確認されても実力行使を見送ってから10年が過ぎた。だが、その約束は次の大統領によって果たされた。トランプ前大統領が選出された時、彼が人道的な観点からシリア空軍基地を巡航ミサイルで攻撃するなど誰が想像しただろうか――。筆者がこんな問いかけをし
SNS(交流サイト)を蝕(むしば)む偽りや誤った情報はどこに潜んでいるのか。膨大な数の個人がやり取りするネットワークにあって、その足取りをたどるのは不可能だと考えられてきた。ところが、SNSの情報汚染を見過ごせないと立ち上がった科学者のひらめきがフェイクニュースの姿を浮かび上がらせた。【前回記事】フェイクニュースの特徴を筑波大学の佐野幸恵助教はSNSのネットワークから探ろうとしていた。複雑にみえる社会現象にも「何らかの原理がある」と考える社会経済物理学の専門家。個人の一挙一動よりも集団の相互作用に興味があったに違いない。そんな視点が新発見をもたらした。ツイッターを行き交う情報のうち、2011年の東日本大震災当時のデータを調べた。何千人もの利用者を小さな点で表し、情報を転送した間柄を線で結んだ。災害用伝言板の運用開始を伝える告知は正しい情報だった。点と線が描いたのは発信源を点が取り囲み、星の
「米民主主義が長く続くかという問いは古くからあるが、差し迫った問題でもあり、米国が誕生した時から存在する」バイデン米大統領は4月28日の施政方針演説でこう語り、自分の政権にどれほど重要なことがかかっているかを明確にした。世界の独裁者が、米民主主義は「我々を分断してきた嘘や怒り、憎悪、恐怖を克服できない」とみているとも述べた。この認識は正しい。独裁者らの見方が正しい可能性さえある。米二大政党の
国軍によるクーデターから2カ月あまり。ミャンマーでは市民らの抗議活動が続き、すでに500人を超える市民が殺害されるなど混迷が深まっている。ミャンマー情勢はどう推移していくのか。日本はどう向き合えばいいのか。前駐ミャンマー大使(元警視総監)の樋口建史氏に話を聞いた。(聞き手は編集委員 坂口祐一)国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー氏と、国軍のミン・アウン・フライン総司令官。大使
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えながら、いかにして経済への負の影響を最小限にとどめるか。焦眉の課題について様々な議論が交わされている。その際によく見かけるのが次の仮定である。感染防止と経済活動はトレードオフ、つまり「あちらを立てればこちらは立たない」関係にあるというものだ。外出の自粛など感染防止対策を強化すると、飲食業などの売り上げや雇用に悪影響が及ぶ。逆に経済を重視して感染対策を弱めれば、
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