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ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (10)

  • 書評 「Good Reasons for Bad Feelings」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Good Reasons for Bad Feelings: Insights from the Frontier of Evolutionary Psychiatry (English Edition) 作者:Nesse, Randolph M.DuttonAmazon 書はランドルフ・ネシーによる進化精神医学についての一般向け啓蒙書だ.ネシーは進化医学を一般向けに解説した「Why We Get Sick?(邦題:病気はなぜあるのか)」をジョージ・ウィリアムズと共著したことで知られるが,もともとは精神科医で,患者を治療する傍ら精神疾患について研究し,その中で進化的な視点の重要性に気づいたことが進化医学に進むきっかけになったという.その後ネシーは行動生態学や進化心理学を学ぶ中でコミットメントの重要性を深く感じ,「Evolution and the Capacity for Commitm

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    shinimai
    shinimai 2019/06/16
  •  「Darwinian Agriculture」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Darwinian Agriculture: How Understanding Evolution Can Improve Agriculture 作者: R. Ford Denison出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 2012/07/02メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 書は植物生態学者のフォード・デニソンによる,農業改善にダーウィニズムを応用しようというだ. デニソンは1983年コーネルでcrop sceinceの博士号をとり(日流にいうなら農学博士ということだろう),政府農業部門で数年間働いた後,1993年からUCデイビスで農業経済学の教授になり,持続可能な農法についてリサーチを行う.その間ドーキンスの「利己的な遺伝子」を読んだことをきっかけに進化生物学に興味を持ち,それを農学に取り入れる試みを始め

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    shinimai 2013/08/10
  •  「科学を語るとはどういうことか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    科学を語るとはどういうことか ---科学者、哲学者にモノ申す (河出ブックス) 作者: 須藤靖,伊勢田哲治出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/06/11メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (20件) を見る 書は物理学者須藤靖と科学哲学者伊勢田哲治による科学哲学を巡る対談集である.実際には対談時のやりとりをベースにして,双方が調整しつつ加筆修正を加えており,メリハリの利いたきびきびとした対談に仕上がっている.帯を含めた装丁も大胆で,思わず手に取りたくなるうまい作りだ. 対談にいたる経緯は須藤の「はじめに」と伊勢田の「終わりに」にそれぞれ書かれている.須藤は因果を巡る「あまりにも的外れ」な議論が科学哲学においてなされていることを知り,その後に知り得たことも含めた科学哲学についての批判的な講義を駒場において行う.その講義案を伊勢田がネットを経由して閲覧し,

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    shinimai 2013/06/23
  •  「言語が違えば,世界も違って見えるわけ」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    言語が違えば、世界も違って見えるわけ 作者:ガイ ドイッチャーインターシフトAmazon 書は言語学者ガイ・ドイッチャーによる「言語がヒトの思考に影響を与えているか」という問題,いわゆるサピア=ウォーフ仮説の弱いバージョンについてのである.原題は「Through the Language Glass: Why the World Looks Different in Other Languages」 この問題は,私の理解では,以下のような状況だ.最初「言語こそが思考を構成する」というサピア=ウォーフ仮説の強いバージョンが主張され,一部の哲学者や文化相対主義者たちが飛びついたのだが,数々の証拠から否定された.次に「言語は思考に影響を与えている」という弱いバージョンが主張されるようになった.そしてこれについて様々なリサーチが行われ,論争が繰り広げられ,少なくとも何らかの影響があることはほぼ

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    shinimai 2013/04/25
  •  「キレイならいいのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    キレイならいいのか――ビューティ・バイアス (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ) 作者: デボラ・L・ロード,栗原泉出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2012/02/23メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 5人 クリック: 34回この商品を含むブログ (5件) を見る 書はアメリカの法学者でフェミニストであるデボラ・ロードによる容姿差別にかかるフェミニズム的な主張のだ.私はあまりこの手のには縁がないのだが,一応容姿の好みにかかる性差について生物学的な根拠にもふれているということで読んでみたものだ.原題は「The Beauty Bias」. 容姿差別にはいろいろなものがある.人の意思でどうにもならないものから,自由意思で身につけているものまで幅広い.中には人が自分のアイデンティティとして重要視しているものもあるし,肥満のように簡単には人の意思通りにはならないにもか

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    shinimai 2013/01/10
  •  「イカの心を探る」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    イカの心を探る 知の世界に生きる海の霊長類 (NHKブックス) 作者: 池田譲出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2011/06/25メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 207回この商品を含むブログ (9件) を見る 書はイカの知性に興味を抱いたイカの研究者の研究物語である.ヒト以外の動物の知性の研究については霊長類やイルカ,それに一部の鳥類のものが有名だが,イカというのは意表を突いている.書ではそのような研究にいたった経緯や研究の苦労物語を交えて語ってくれている. 書はまずイカとはいかなる動物かという紹介から始まる.分類学的にはタコやオウムガイと並んで軟体動物の頭足類に属し,大きくコウイカとツツイカに分かれるということになる.これらは全て海産である*1.日人はコウイカとツツイカを普通「イカ」と呼び区別しないが,英米では一般的な名称としてcuttlef

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    shinimai 2011/10/29
  •  「つながり」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    つながり 社会的ネットワークの驚くべき力 作者: ニコラス・A・クリスタキス,ジェイムズ・H・ファウラー,鬼澤忍出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/07/22メディア: 単行購入: 19人 クリック: 277回この商品を含むブログ (72件) を見る 書は「肥満は伝染性である」という研究で有名な,医学者であり社会学者であるクリスタキスと政治学者ファウラーによる,社会的ネットワーク全般についての一般向けのである.肥満の伝染の研究は全米の話題になったものだが,その統計分析の適切性について批判論文がでていて,さらにクリスタキスたちも反論を公表している.これらについては一通り眼を通してみたが,私の印象は「肥満は伝染してもおかしくはないし,おそらく伝染するだろうが,おそらくその効果は彼等が主張するよりずっと弱いものだろう.少なくとも彼等の研究で伝染性が統計的に示されたとはいえないだろ

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    shinimai 2011/02/12
  •  「進化論はなぜ哲学の問題になるのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    進化論はなぜ哲学の問題になるのか―生物学の哲学の現在“いま” 作者: 松俊吉出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2010/07/13メディア: 単行購入: 11人 クリック: 190回この商品を含むブログ (27件) を見る 書は進化生物学*1 にかかる科学哲学についてのアンソロジーである.執筆者には若手科学哲学者たちが名を連ね,それぞれの考察をまとめている.全部で200ページ強の小振りのになっている. 冒頭第1章は松俊吉による「自然選択の単位の問題」*2 基的には論争史を簡単に紹介するというスタンスになっている.まず遺伝子淘汰説の問題としてジョージ・ウィリアムズとドーキンスの説明についてのソーバーたちの議論,それに対するステレルニーたちの議論を紹介する.この部分では,キッチャーの整理として,ドーキンスの主張は当初の「一元論的対立遺伝子淘汰主義」から後に「多元的対立遺伝子淘汰

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    shinimai 2010/09/20
    読みたいと思っていた
  •  「こころと言葉」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    こころと言葉―進化と認知科学のアプローチ 作者: 長谷川寿一,伊藤たかね,クリスティーンラマール,Christine Lamarre出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2008/11/01メディア: 単行購入: 5人 クリック: 22回この商品を含むブログ (3件) を見る これは東京大学21世紀COEプログラム「心とことば−進化認知科学的展開」の成果の1つを1冊にまとめたもの.(心と言葉のひらがな漢字表記が書の表題で逆転している理由は定かではない)多くの研究者のエッセイをまとめた3部構成になっていて,第1部は進化生物学的に見た言語,言語の起源・進化が扱われている.第2部は言語学からのリサーチ,第3部は認知科学からのリサーチという構成だ. 第1部「進化からことばを見る」 幅広い読者のためか,まず生物進化全体を解説するエッセイが冒頭におかれている. 斎藤成也による「言語能力獲得に

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  •  「Why We Read Fiction」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Why We Read Fiction: Theory of Mind And the Novel (The Theory And Interpretation of Narrative Series) 作者: Lisa Zunshine出版社/メーカー: Ohio State Univ Pr発売日: 2006/04/30メディア: ペーパーバック クリック: 11回この商品を含むブログ (2件) を見る これは英米文学の専門家であり,認知科学を文芸批評に応用しようとする分野の研究者である著者による,進化心理学的な視点もふまえた上での「何故ヒトは小説を読むのか」というである. 認知科学を応用した文芸批評という概念自体,私にとっては新鮮な響きだ.まず私は文芸批評全般についてまったく無知である.また認知科学を応用した文芸批評が今日どのような状況下についてもまったくよく知らない.アメリカではそ

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    shinimai
    shinimai 2007/08/09
    こういう本を待っていた。
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