母となった人の多くが「息子が可愛くてしょうがない」と口にする。手がかかればかかるほど、可愛いという。女性たちは息子のために、何を置いても尽くそうとする。それは恋人に対するよりも粘っこくて重たい心かもしれない。息子たちは、そんな母について、何を思っているのだろうか。そのような母に育てられた息子と、娘たちはどのように関係を作っているのだろうか。母と息子の関係が、ニッポンにおける人間関係の核を作り、社会を覆っているのではないのか。子育てを終えた社会学者が、母と息子の関係から、少子化や引きこもりや非婚化や、日本に横たわる多くの問題について考える。 「サザエさん」以来の新聞連載ファミリー漫画の系列にあって、西原理恵子の「毎日かあさん」は新鮮な驚きもたらしてくれました。「ちびまる子ちゃん」でも「あたしんち」でもそうですが、ファミリー漫画に出てくる母は、多数派でもないのにいつも夫だけが稼ぐ専業主婦でした