『応天の門』 1 https://ebookstore.sony.jp/item/BT000028944900100101 推しがいると詳しくなるの法則オタクはごく一部の歴史にだけは妙に詳しかったりする。大抵は、どこかで推しを見つけるためだ。幕末や平安、戦国時代の一部あたりが多いと思う。具体的には新撰組(主に土方歳三か沖田総司)、安倍晴明、伊達政宗のどれかには、誰しも引っかかってるんじゃないかなあ。『応天の門』を読むと、それに在原業平と菅原道真も追加されるような気がする。 歴史ミステリーの新本格ときは平安、魑魅魍魎が都を跋扈し、貴族は血みどろの権力争いに夢中な時代。漢書が最先端の学問で、倭歌がイケてる知的娯楽、説法や加持祈祷はライブやフェスとかにあたる存在だった、そんな時代のクライムサスペンス(犯罪モノ)が、本作『応天の門』。平安京で起きる非日常的な事件。その裏にあるのは人間の欲望だったり