にわかに高まる女性活躍推進のうねり。この機運を一過性のものとせず、長い目で見て企業のなかに根付かせるには、どうしたらいいのか。そのヒントとしたいのが、かつて女性活躍推進でトップランナーだったパナソニックの事例である。社長交代、業績悪化を受けて、女性活躍推進が失速しているとの声も上がる。息長く女性活躍の推進を続けるために大切な視点を、パナの事例から探ってみたい。 この春、パナソニックで内部昇格から誕生した女性役員第一号が、50代前半の若さで顧問に退いた。 83年に技術者として入社、家電分野で数々のヒット商品を生み出し、45歳で理事職に抜擢された。その翌年、100年近い歴史の中で女性初の事業場長となり、2011年に女性初の役員に就いたときは話題を呼んだ。女性登用の象徴的な存在だった。 事業場長時代は、400人の従業員を束ねて約450億円の売り上げを上げる責任者として、経営者としての腕を磨いてき