メキシコ、バハ・カリフォルニア沖のコルテス海を泳ぐクロカジキ。一部の海域では、深海の低酸素海域を避けてカジキなどが海面に群がっている。(PHOTOGRAPH BY NORBERT WU, MINDEN PICTURES VIA NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 10年以上前のある日、研究用のタグを付けた魚を追跡していたエリック・プリンス氏は奇妙なことに気がついた。米国南東部沖に生息するニシクロカジキは獲物を追って800メートルは潜るのに対し、コスタリカとグアテマラ沖では海面付近にとどまっていて、潜っても100メートルを超えることがめったになかったのだ。 米国海洋大気局(NOAA)を退職して以来、カジキの専門家として研究を続けているプリンス氏は首をひねった。これまでにコートジボワール、ガーナ、ジャマイカ、ブラジル沖のニシクロカジキを調べてきたが、そのような例は一度も
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