世界には社会的格差の大きい国もあれば小さい国もあります。2014年には世界のトップ1%の超富裕層が富の48%を、残りの99%が52%を所有していたと言われています(Oxfam, 2015)。このような大きすぎる格差が、2011年から数年間にわたって発生した「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」運動にもつながっていると考えられますし、2013年に出版されたトマ・ピケティの「21世紀の資本」のベストセラーにも影響を与えていると思います。最近のアメリカ大統領選でもヒラリー・クリントン候補はしきりにトップ1%が過剰な富を独占しているのは不公平であると主張しています。どれくらいの格差なら許容されて、どれくらいなら問題なのかというのは最終的には価値観の問題であり、正解はありません。しかし、格差がどれくらい健康に悪影響を与えるかという点に関しては数多くの研究が行われています。ち