「世界の通信業界でゲームチェンジを起こす」。ネットをめぐるサービスで、巨大IT企業が圧倒的な影響力を持つ中、NTTのトップとしてドコモの完全子会社化に踏み切った澤田純社長は、私たちのインタビューに巻き返しに向けた強い決意を語りました。4兆円を超える巨費を投じる決断の背景には何があったのか。私たちの暮らしは便利になるのか、携帯電話料金は安くなるのか。決断のねらいと、その先の展望に迫りました。(経済部記者 江崎大輔・岡谷宏基) NTTによるドコモの完全子会社化の発表からおよそ2週間後、私たちのインタビューに応じた澤田社長はこう語りました。 ドコモは1992年にNTTから分社し、1998年に東京証券取引所1部に上場しましたが、個人投資家や金融機関などが持つドコモの株式およそ34%をTOB(株式の公開買い付け)で買い取ります。4兆2500億円もの巨額の資金を投じる重い決断の背景には、澤田社長の「危