今回はVRと並んで注目されているARにかかわる話題である。VRとARは違うのか?同じという人もいるし、違うという人もいる。 ところで、「リアルとバーチャルの区別がつかなくなったらどうするのだ。」とは、VRの初期によく言われたことである。この言葉の裏には、両者は対立概念であり、相容れないものだという考え方がある。しかし、本当にそうだろうか? 何年か前、山で遭難しかかった登山者が携帯電話で助けを求めてきたという。今や純粋なリアルなど、どこにも存在しない。 リアルとバーチャルは対立概念でなく、お互いにつながっている、と述べたのは、トロント大学のP.ミルグラム教授である。彼は、純粋なバーチャルとリアルをつなぐ線をひき、その間にAR(Augmented Reality:ほとんど現実の世界にバーチャルな世界を合成したもの)とかAV(Augmented Virtuality:ほとんどバーチャルな世界に現